【きさらぎ賞】グローリーヴェイズ尾関調教師が狙うミスターシービー伝説再び!?

2018年02月01日 21時33分

3冠馬・ミスターシービー(1983年5月、日本ダービー)

【きさらぎ賞(日曜=2月4日、京都芝外1800メートル)美浦トレセン発秘話】「山村さん、3冠馬ミスターシービーのターニングポイントは、ひいらぎ賞でしたっけ? それとも黒松賞だったかな?」

 先週、きさらぎ賞を予定するグローリーヴェイズの取材を試みると、管理する尾関知人調教師から思わぬ逆取材が飛んできた。かつて松山康久元調教師の連載に携わった当方、3冠達成のくだりは克明に覚えている。

「黒松賞も出遅れていますが、“伝説”になったのは、ひいらぎ賞ですよ」

 即答すると「そうでしたね。実は、こうやまき賞のレース後、吉永(正人)騎手の当時の言葉が瞬間的にパッと頭に浮かんだんです」。指揮官はニヤリと笑った――。

 話が唐突すぎて読者に伝わりづらいので、整理して説明しよう。

 まずミスターシービーに初めて土がついた、ひいらぎ賞から。出遅れによる敗戦ショックを引きずるトレーナーに対し、鞍上は逆に目を輝かせて語ったという。

「道中で脚をタメた際の末脚は並ではない。2着に負けたひいらぎ賞で、むしろこの馬の力量が分かった気がする」

 後の同馬は追い込み一本やり。「無難なスタートでも、あえて最後方に下げ、3角マクリのスタイルを貫いた」(松山師)末に3冠の偉業を成し遂げた。ひいらぎ賞の出遅れがなければ歴史は変わったかもしれない――。これが、ひとつの“シービー伝説”である。

 一方、グローリーヴェイズのこうやまき賞。こちらも押し出されてハナに立った初陣とは一変したレース運び。スタートで出遅れ、スローペースを最後方から運ばざるを得ない展開。猛然と追い込みながらも2着に敗れてしまうが、記録した上がり33秒4は最速。一転して“切れ者”イメージを定着させたのが前走だったというわけだ。

「シービーほど極端じゃなくていいけど、トモが甘く、行き脚がつかない現状を思えば、位置を求めず、しまいを生かす競馬が合うと思うんです。前走は一瞬、坂で脚が鈍り、上り切ってからグイグイ伸びた。平坦の京都を選択したのは、それがあるし、ミルコ(デムーロ)が乗るのも魅力。あの出遅れが大きな契機にならないかな」(尾関師)

 武豊が大逃げを打ったサイレンススズカのバレンタインS、河内洋が正攻法に打って出たメジロブライトのステイヤーズSなど、名馬には、しばしば後のターニングポイントになる一戦がひそんでいる。指揮官がシービーの例えを出すのも、むろん期待の表れだろう。現状ベストと思える京都外回りで、ミルコとのタッグは、どんな“化学反応”をもたらすのか。注目したい。