【香港国際競走】日本馬8頭完敗の理由

2017年12月11日 21時44分

香港カップで3着だったネオリアリズム(手前)と4着ステファノス

【香港発10日=荒井敏彦】過去2年で4頭の優勝馬を出してきた香港国際競走(すべてGI)。日本馬にとって“準ホーム”ともいえる地で今年は8頭全馬が完敗した。香港カップ(芝2000メートル)のネオリアリズム、香港ヴァーズ(芝2400メートル)のトーセンバジルの3着が精一杯だった。香港で進軍がストップした理由はいったいなんだったのか?

 4競走の勝利の内訳はアイルランドの1勝(香港ヴァーズ=ハイランドリール)に地元・香港の3勝。日本馬は3年ぶりに勝利を逃した。日本馬の力量不足なのか、それとも地元馬が強くなったのか、と問われればそれは間違いなく後者だ。春のクイーンエリザベス2世Cを制したネオリアリズムを筆頭に菊花賞馬キセキなど、本来なら有馬記念に参戦するはずの馬が何頭も遠征したのだから勝負にならないはずがない。

 ただ、今回の地元馬は打倒・日本馬に万全の態勢を敷いていた。エイシンヒカリ(2015年)、モーリス(16年)で日本馬に蹴散らされた香港カップはベストメンバーに近い布陣。ワーザーのJ・ムーア調教師は「日本のみならず各国には2000メートルで強い馬がいる。本番にいかにベストに持っていけるか。とくにワーザーは体調を整えるため、トライアルはあくまで準備段階と割り切った」と話し、地元のビッグレースだけは譲らない強い気持ちで馬を仕上げてきた。実際、勝ったタイムワープと地元勢ワンツーを決めた香港Cはトライアルの2、1着馬。地元の意地を世界に見せつけた格好だ。

 ビューティーオンリーを今年の安田記念に出走(6着)させたA・クルーズ調教師も「日本馬の強さは身をもって体感したが、地元に戻れば話は別だ。私が管理しているタイムワープの勝利には満足しているし、2000メートルでポテンシャルを発揮できると信じて前走から距離を見定めた」と確かな計算をもとに有言実行を成し遂げた。

 今後、香港遠征で日本馬の勝利が容易でない理由がもうひとつ。来年新たにトレセン施設が開業する。シャティンから車で3時間程度の場所にあり、坂路コースなど日本のトレセンと変わらないトレーニング場がオープンするのだ。シャティンで再び日の丸を掲げるために必要なもの…それは藤原英調教師の言葉通りで「香港ジョッキークラブへの感謝(馬の招待)」と「頂点へ挑み続ける強いハート」だろう。