【スプリンターズS】連覇レッドファルクス “二刀流”でフェブラリーS参戦も

2017年10月02日 21時21分

測ったように外から差し切ったM・デムーロ=レッドファルクス。スプリンターズS連覇を達成した

 混戦ムードの中で行われた第51回スプリンターズS(1日=中山芝外1200メートル)は、昨年の覇者レッドファルクス(牡6・尾関)が史上3頭目の連覇を達成。サクラバクシンオー、ロードカナロアに続く偉業は、スプリント路線における“絶対王者”の座を不動のものとした。歴史的名馬に肩を並べた一戦を振り返るとともに、優勝馬の今後の可能性を模索する。

 混沌としたスプリント路線の勢力図が“レッド”一色に染められた。そう表現して過言なき堂々たる連覇だった。

「追い切り映像で具合の良さは伝わったし、返し馬の雰囲気も良く自信を持って臨みました」

 M・デムーロのこの感触にたがわず、気持ちが乗ったスタートは抜群。とはいえ「最初は反応に時間がかかる。コーナーでは後ろ過ぎるポジションが気になった」と鞍上が語ったように、道中は中団からやや後方で先行勢を追う形となった。勝利を手繰り寄せたのは、中央の狭いスペースをこじ開けた直線入り口のさばきだろう。

「馬も僕と一緒。負けたくないという気持ちがすごく強い。馬場が速くて届かないことを心配したけど、手前が替わってからは全然違う脚だった」

 名手の言葉通り、前が開いた坂下からギアが上がり、ステッキを右から左に持ち替えるとゴール前でさらにもうひと伸び。着差はクビでも、サクラバクシンオー、ロードカナロアという名馬と肩を並べるのにふさわしい豪快な勝ち方だった。

「直線に入った時は正直届かないと思ったけど…すごい馬です。過去の経験が実になっている」と尾関調教師。昨年からの成長が連覇に結びついたとなれば、気になるのは今後の動向だ。昨年12着に終わった暮れの香港スプリントへのリベンジも大いに注目されるのだが、トレーナーの視点は周囲の期待と少々違う。

「昨年の無念はJRA賞で最優秀短距離馬に選ばれなかったこと。それだけに今回はここに全力投球でやってきた。一方、今年悔しかったのが、1番人気に支持された高松宮記念(3着)で期待に応えられなかったこと。まずはそれが次の目標になるでしょう」

 左トモがウイークポイントで右回りは本質的に不得手な馬。それゆえレース後のダメージも残りやすく「昨年の香港では本調子になく、高松宮記念もそれを引きずった」(M・デムーロ)という経緯がある。

 指揮官が路線の明言を避けるのは、その体質ゆえに仕方のないことなのだ。

 そこで次走の候補に挙がってくるのが“二刀流”への挑戦。左回りのGIフェブラリーS(東京ダート1600メートル)へのサプライズ参戦である。元来がダート4勝のパワー型。安田記念(3着)でマイルもこなしたことを思えば、決して無謀な挑戦ではない。歴史的な名馬に追いついた今、レッドファルクスが目指すのは誰もがなし得ていない、前人未到の頂かもしれない。