【京成杯AH】「勝ちきれない」グランシルク 田辺の力で“キャラ変”V

2017年09月11日 21時30分

鞍上・田辺が後ろを振り返るほど、1頭だけ勢いが違う伸び脚で重賞初Vを飾ったグランシルク

 GIII京成杯AH(10日=中山芝外1600メートル)は1番人気のグランシルク(牡5・戸田)が優勝。初コンビとなった田辺の好騎乗もあり、惜敗続きのうっぷんを晴らして重賞初制覇を決め、サマーマイルシリーズの王座(15ポイントでウインガニオンと同点優勝)も手にした。馬主、厩舎関係者への褒賞金(馬主2400万円、厩舎関係者600万円)は等分して交付される。

 今年に入ってこのレース前までの5戦が2→3→3→2→2着と典型的な勝ち切れないキャラ。ところが、「それまで惜敗続きで自信もなくなっていたが…。今日は声を出す間もないくらいの勝ち方を見せてくれた(笑い)」と戸田調教師。これまでがウソのような劇的な“キャラ変”を見せた。

 予想通りマルターズアポジーが逃げ、前後半4ハロンは45秒8―45秒8と正真正銘のイーブンペース。

 展開の有利不利なく純粋な力がはっきり出たレース展開となった。そんな中、中団待機から3、4角で徐々に動いて、直線は1頭だけ勢いが違う伸び脚での重賞初V。2着に1馬身3/4差、そして1分31秒6の走破時計はまさに力の違いを見せた結果と判断していい。

「展開はある程度予想できたし、競馬はしやすかった。いつもモタモタする印象があったので早めに動かしたが、最後はいい脚を使ってくれた」

 そう振り返った田辺は今年を含めた近4年でこのレース3勝という“京成杯AHマスター”。中山マイルでの勝ち方を熟知している点はもちろんだが、勝ち切れない=脚の使いどころが難しい同馬の持ち味を、テン乗りでもフルに引き出したのはさすがだ。

 戸田調教師も「ジョッキーが道中から完璧に乗ってくれた。すべてがうまくいくと勝てる、という典型的なレース」と鞍上の好リードを絶賛。続けて「何とか続けて乗ってもらうのが理想。次もそんな走りを見せられれば」と相性バッチリのコンビ継続を願った。

 今後はGIII富士S(10月21日=東京芝1600メートル)かGUUスワンS(10月28日=京都芝外1400メートル)をステップに、GIマイルCS(11月19日=京都芝外1600メートル)を目指す。となると、気になるのが鞍上だ。田辺にはGI馬ロゴタイプというお手馬がいるだけに、すんなりと「本番も」とはならない。ひと皮むけた走りでさらなる重賞タイトル、そして鞍上の心をもつかむ走りを見せられるか…。田辺とのコンビ継続を願う戸田師にとっては、次が大舞台に向けての重要な一戦となりそうだ。