【札幌記念】サクラアンプルール 重賞初Vの裏に2つの要因

2017年08月21日 21時31分

絶妙のタイミングで抜け出した蛯名=サクラアンプルール(左)

 サマー2000シリーズ第4戦でもある20日のGII札幌記念(札幌芝2000メートル)は6番人気のサクラアンプルール(牡6・金成)が重賞4度目の挑戦で初V。管理する金成調教師もJRA平地重賞初勝利となった。2着ナリタハリケーン、3着ヤマカツエースとキングカメハメハ産駒が上位を独占し、3連単は20万円超の大波乱。果たして明暗を分けた要因とは…。2分00秒4の攻防を振り返る。

 過去に多くのGI馬を輩出してきた札幌記念だが、勝ち時計2分00秒4(レース上がり35秒7)の数字だけ見れば今年はどの馬にもチャンスがあった。だからこそ3連単20万円超の大荒れ。とはいえ、勝ち馬サクラアンプルールに関しては、その勝因を明確に説明できる。

「前走は久々の感じがあり馬がおとなし過ぎたが、今日は返し馬も気合が良く気配が一変していた」

 鞍上の蛯名がこう語るように、まずは状態の良さ。それがスタートにも表れた。前走の函館記念(9着)も含めて過去に何度かゲート難を見せた同馬が、この日は好発から6番手をキープ。5ハロン通過60秒7のゆったりした流れ、さらに目標となるエアスピネル、ヤマカツエースを前に見る位置は「後ろになり過ぎず前にも行き過ぎず」(同騎手)のベストポジションだった。

 加えて道中は「もらった好枠を生かしたい」とロスのないインの経済コースを確保。それが勝負どころでの反応の良さにもつながった。

 先に動いたエア、ヤマカツを目掛けて4角手前で一気にスパート。「手応えは十分で一気に加速してくれた」と語ったように、直線半ばで人気勢を競り落とした時点で勝負アリだ。2着ナリタハリケーンにクビ差まで詰め寄られたのは「早めに先頭に立って馬が遊んでしまった」がゆえ。内容的には完勝と言える。

 そして、勝因にもう“ひと味”加えるとすれば、この一戦にかける鞍上の気持ち。「12年ぶりの北海道参戦(滞在)だし、地元で勝てて良かった」の言葉は、新天地を求めたベテランの意地を示していた。

 冒頭に記した通り、記録的に平凡なGIIであるのは否めない。過去に飛躍を遂げた名馬にその姿を照らし合わせるのも、6歳馬サクラアンプルールには迷惑な話かも(今後の動向は未定)。それでも、渾身の仕上げ、魂のこもった手綱さばきでつかんだ勝利は、今年のメンバーにあって最も優勝馬にふさわしいものだったと断言できる。