【北九州記念】ダイアナヘイロー4連勝で重賞初V 武豊の“お墨付き”スプリント界に新星

2017年08月21日 21時30分

名手・武豊の巧みなリードでダイアナヘイローは4連勝&重賞初Vを決めた

 サマースプリントシリーズ第4戦のGIII北九州記念(20日=小倉芝1200メートル)は3番人気のダイアナヘイロー(牝4・福島)が好位から押し切って4連勝で重賞初勝利を飾った。管理する福島調教師と武豊のコンビでの北九州記念Vは1997年のダンディコマンド以来20年ぶりというメモリアルな一戦。果たして、同馬はスプリント界に新星誕生となったのか否か…。

 アクティブミノルが内から果敢に先頭へ。これを読んでいた武豊は無理に先行争いには加わらず、少し控えたポジションでダイアナヘイローの折り合いに専念した。3ハロン通過32秒8は一見すると速い数字だが、同日9Rの1000万下(戸畑特別)より0秒1速いだけ。各騎手が「流れは落ち着いていた」と証言したように、その実態はローカル競馬らしい先行有利の展開だった。武豊もそうした感覚を感じていたのだろう。直線の入り口で早々とアクティブミノルに並びかけ、左ステッキでゴーサイン。一気に加速すると、シ烈な2着争いを尻目に悠々と先頭でゴールを駆け抜けた。

 時計は前出の1000万下と全く同じ1分07秒5。ローカルのスプリント戦のセオリーに沿った勝ち方とあって、今後のスプリント路線に与えるインパクトとしては決して大きいものではない。

 福島調教師も「この後は栗東に帰して、ひと月ほど小松トレーニングセンター(石川県)で休ませるつもり。GI? 俺の馬じゃないから分からないよ」と秋のビッグレースに意欲を見せていない。しかし、それでも期待を寄せたくなるのが武豊の発した「まだまだ強くなると思います」という言葉とその根拠だ。

 ダイアナヘイローは3歳のデビュー当初から素質の片鱗をのぞかせていたが、非凡なスピードをコントロールできず条件戦で足踏みが続いた。転機となったのは武豊との出会い。「ハナに行くと折り合うが、控えると力んでしまって。それで追ってから伸びなかった」と福島調教師は振り返る。そんなダイアナヘイローに対して、武豊は控えて脚をためる競馬を意識して教え込んだ。もちろん、すぐには結果は出なかったが、キャリアを重ね、コンビとしての成熟度が増すにつれて鞍上の思い通りに動けるように…。その結果がこの4連勝だ。

 今後は坂のあるコースや斤量、強力なライバルと高い壁が待ち受けるが、経験豊富な武豊が与えた“お墨付き”の持つ意味は小さくない。来年2月末で定年を迎える福島調教師に対し、その花道を飾るだけの活躍はできるはずだ。