【エルムS】JRA重賞初Vロンドンタウン 断然の1番人気テイエムジンソクと明暗分けた調整過程

2017年08月14日 21時30分

先行2頭の外から岩田=ロンドンタウン(手前)が豪快に突き抜けた

 3連勝中の上がり馬テイエムジンソクが断然の1番人気に推されたGIIIエルムS(13日=札幌ダート1700メートル)は、同馬を目標に運んだロンドンタウン(牡4・牧田)がレコードタイムで優勝。JRA重賞初制覇となった。強力なライバルを打ち破った要因は何だったのか?

「今日は朝から速いタイムが出ていたので、これぐらいの時計は出るかもしれないと思った」と岩田。終わってみれば従来のレコードを0秒8も更新する1分40秒9。勝利したのは4番人気のロンドンタウンだった。

 前日から当日朝にかけての断続的な雨で重馬場。ハナを主張したドリームキラリとその直後で運んだテイエムジンソクの2頭がレースを引っ張る緩みのない流れの中、終始内々の3〜4番手を進む。勝負どころでも手応えは抜群。テイエム=古川は直線入り口で追い出しを待ち、ロンドンの進路を消しにかかったが、岩田はここでワンテンポ仕掛けを遅らせることで進路の確保に成功。外へとスムーズに導いて力強い末脚で差し切った。

 振り返れば1000万下を勝ったのが小倉の1700メートル。今年2月には交流GIII佐賀記念を制した。距離は2000メートルだったが、どちらも小回りコースへの適性は十分に示していた。加えて下級条件ながら1200メートル、1400メートル戦でも勝ち星があり、この日のようなスピード決着への適性も高かったのだろう。

 ただ、それ以上にこの一戦の明暗を分けたのは調整過程ではなかったか。ロンドンタウンは久々で14キロ減。しかし、牧田調教師は「しっかりと乗り込んできた。体つきはすっきりしていたが、決して細くはなかった」。その言葉通り、ムダのないシャープなシルエット。フレッシュな状態で臨めたことが、夏場に数戦をこなしてきたライバルを上回った要因だ。

 上がり馬を破ったことで見えてくるのは砂界の頂。「今日、9月10日のGIコリアカップ(ソウル競馬場=ダート1800メートル)の招待状をもらいました。日曜の競馬ですし、まだ鞍上は未定です」と牧田調教師。

 ここには昨年の同レースを6馬身差で圧勝したクリソライトが今年も参戦予定。4歳のロンドンタウンが異国の地で古豪とどのように渡り合うのか。ここを制するようなら年末までのダートGIシリーズにも顔を出してくることになりそうだ。