【ドバイターフ】大魔神・佐々木氏のヴィブロス快挙の裏で見えた海外GI馬券の問題

2017年03月27日 21時35分

歓喜に沸くヴィブロス関係者。左2人目から友道調教師、モレイラ騎手、佐々木主浩オーナー、加奈子夫人

【UAE・ドバイ25日発】昨年の過去最多10頭と同数の出走馬でドバイ国際競走(メイダン競馬場)に乗り込んだ“チーム・ジャパン”。各レース苦戦という下馬評の中で7R・GIドバイターフ(芝1800メートル)に出走したヴィブロス(牝4・友道)が見事に優勝。オーナーで元メジャーリーガーの佐々木主浩氏は“海外初遠征”で100%の結果を出した。一方、海外馬券発売5回目にして気になる問題点も浮かび上がってきた。

 昨年はラニ(UAEダービー)とリアルスティール(ドバイターフ)で日本馬が2勝した“お祭りデー”の再現こそなかったが、ヴィブロスが優勝。現地入り後に鼻出血で出走を取りやめたリアルスティールの連覇の夢を“日本馬の連覇”でつないだ。2007年アドマイヤムーン、14年ジャスタウェイ…同レースの日本馬の制覇は4頭目になる。

「最後(直線)に懸けようっていう作戦だった。直線はもう騒いでしまってよく覚えていない」とオーナーの大魔神こと佐々木氏。勝利後の会見では司会者に「ホームランだ」と振られると「こっち(競馬)は緊張する。自分でできる野球のほうが楽」と笑った。

 その佐々木氏が前日(24日)朝の調教後に絶賛した“マジックマン”の手綱が冴え渡った。前走のGⅡ中山記念(5着)でヴィブロスは4角4番手から競馬を進めたが、初騎乗のモレイラは後方で我慢させ、直線で切れ味を引き出した。「スタート後に決心した。バックストレッチで強い風が気になったので他の馬の後ろにつけた。内ラチ沿いを嫌がったので外に出したらすごい伸びだった」と同騎手。作戦よりも自分の“勘”を信じ、レース中の瞬時の判断で優勝をもぎ取った。

 秋華賞に続いてGI・2勝目のヴィブロス。今秋は同じ佐々木オーナー所有の半兄シュヴァルグランと米国に遠征して、GIブリーダーズカップフィリー&メアターフ(11月4日=デルマー競馬場芝2200メートル)参戦のプランもある。

 一方、文化の違いが今回で露呈した面もある。例えば馬場状態の認識。週中の断続的な降雨に加え、レース当日は朝からどしゃ降りの雨。ダートはひどい馬場(日本なら不良?)だったが、1R開始前の午後2時前にJRAを通じて発表された馬場状態は芝=稍重、ダート=重。これは現地主催者がFast、Goodに続く3番目のMuddy(泥んこ)と発表したことからの判断だ(ドバイではダートは5段階で4番目はSloppy=滑る、5番目はSealed=閉鎖)。

 現地の発表はかなりアバウト。馬場状態が成績(馬券)を左右する、と考える風習は日本ほどないのだろう。レース前の芝コースでは扇風機のような機械で芝を乾かすほほ笑ましい?シーン(しかもゴール前だけ)もあった。ヴィブロスは良馬場以外で初めて走ったが、跳びの大きいディープインパクト産駒。馬場状態をあまり把握できずに馬券から外したファンは少なくないかもしれない。