【スプリングS】2歳王者サトノアレスで悲願の牡馬クラシック制覇へ「チーム藤沢和」の動向

2017年03月15日 21時41分

早くも戦闘モードに切り替わった2歳王者サトノアレス

【スプリングS(日曜=19日、中山芝内1800メートル=3着までに4・16皐月賞優先出走権)】昨年はソウルスターリングが阪神JFを、サトノアレスが朝日杯FSを制し、史上初となるJRA賞最優秀2歳牝馬&牡馬のダブルタイトルを受賞した藤沢和雄調教師(65)。現3歳世代にはデビューから無傷で3連勝中のレイデオロ(牡)も控えており、紛れもなく過去最高、最強の布陣。牡馬クラシック制覇に向け、“激アツモード”に突入した名伯楽が、まずは4・16皐月賞トライアル・GIIスプリングSへ2歳王者を送り込み、悲願成就へ向け、また歩を進める――。

 

 先のGIIIチューリップ賞では2歳女王ソウルスターリングが圧勝を飾る絶好のスタートを切り、今週末のスプリングSには2歳王者サトノアレスが満を持して登場。春シーズンのクラシック“総ナメ”まで現実味を帯びてきた藤沢和厩舎だが、牡馬クラシックはこれまで無冠(2002年シンボリクリスエス、03年ゼンノロブロイの日本ダービー2着が最高着順)。長年、美浦の、いや「競馬界の七不思議」に数えられてきたが、次々と放たれる現3歳の精鋭軍団によって、ようやく無冠に終止符が打たれようとしている。

 

 その急先鋒サトノアレスの出走態勢は早くも万全だ。前走の朝日杯FSを制した後はトレセン近くのミホ分場で英気を養い、先月2日に帰厩。始動戦に向け、たっぷりと時間をかけて体をつくり上げてきた。2週前追い切り(1日)でソウルスターリングらと熱のこもった併せ馬を消化。そこで2歳女王に抜かれた際、藤沢和調教師が口にした「(サトノ)アレスが怒っていたな」という言葉こそが、すでに“戦闘モード”に入っている動かぬ証しだろう。

 

 新たにコンビを組む戸崎圭も、初コンタクトとなった1週前追い切り(8日)の騎乗で早くも手応えをつかんだ。

 

「思っていたよりも体が立派な馬だと感じたし、走っている限りは短距離向きの感じはしませんでしたね。今回はサッと乗っただけでしたが、さすが藤沢和厩舎の馬らしく、よく調教されていて、コントロールしやすかった。いい1週前追い切りができたと思っています」

 

 もちろん、賛辞を贈るのは戸崎圭だけではない。あの“世界ナンバーワンジョッキー”ライアン・ムーアも「2走前(500万下・ベゴニア賞1着)に乗った時に、“重賞を勝てる馬”って評価してくれていた」(藤沢和師)。

 

 数々の名手をとりこにするサトノアレスをトレーナーはこう評価する。

 

「ディープ(インパクト)産駒の割に馬体がすごくしっかりしていて、競馬を使い込めるのが心強いよね。こんなに順調に使ってこれたディープ産駒は自分の中では珍しいくらい。この中間にしても、しっかりした調教が積めたし、追い切りも前の馬を見ながら予定通りの内容を消化できた。兄たち(サトノヒーロー、サトノフェラーリ)は少し気難しい面があったけど、この馬は穏やか。そのあたりの扱いやすさはソウル(スターリング)よりも上なんじゃないかな」

 

 悲願の牡馬クラシック制覇はもう目前。トレーナー自身は「いい馬主さんたちに、いい馬を預けてもらっているから。(引退まで)あと何年かあるし、これからも頑張り続けるだけですよ」と平常心を強調するが、まずは今週末に迫った皐月賞トライアルを制し、より強固な地盤を築き上げるのか。“チーム藤沢和”の動向から今後も目が離せそうにない。