【東海S】完勝グレンツェント「砂王」襲名へ

2017年01月23日 21時30分

横山典=グレンツェント(手前)は外めから猛然と追い込んで重賞2勝目

 GII東海S(22日=中京ダート1800メートル)は横山典騎乗のグレンツェント(牡4・加藤征)が中団から差し切りV。昨年のGIIIレパードSに続く重賞2勝目を飾った。次に視野に入ってくるのは砂の頂上決戦・GIフェブラリーS。“最強世代”の代表がこのままダート界を制圧するのか? その可能性を検証した。

 新ダート王誕生を予感させる勝ちっぷりだ。1000メートル通過63秒7は現舞台で開催となった2013年以降、最も遅いペース。経済コースを前々で運んだ2着モルトベーネに対して、グレンツェントは勝負どころで外を回しての差し切り。展開、距離ロスを考えれば数字以上の完勝と言える。ダートGI常連のアスカノロマン、インカンテーションが伸びあぐねる中、若い4歳馬が力強くVゴールを決めた姿はダート界の世代交代を強く意識させるものだった。

「着差はわずかでも余裕があった。ヒヤッとしたのは最初のコーナーでゴチャついた時だけ。あとはいいところを走らせることができた。稽古に乗ってレースとのオンオフがはっきりした馬だということは分かっていたし、今日のレースも自由自在だった」

 初コンビの横山典は同馬の能力と操縦性の高さに感心しきり。今後の課題を聞かれると「若い馬でまだ良くなるところはいっぱい持っている。このまま無事にいってほしい」とエールを送った。

 加藤征調教師も愛馬の成長に確かな手応え。「強かったね。中山の坂をうまく走るので、初めての中京も合うと思っていた。以前は砂をかぶると2~3馬身下がるところがあったけど、そういう面が解消して上手に競馬ができるようになってきた」と満足そうにレースを振り返った。次走については「オーナーと相談してから」と明言を避けた同師だが、その視線がGIフェブラリーS(2月19日=東京ダート1600メートル)に向いていることは言うまでもない。

 GIの大舞台は未経験だが、昨年のみやこSでは暮れの東京大賞典を制したアポロケンタッキーとタイム差なしの2着に肉薄。3歳時からGI級のポテンシャルは見せており、今の充実度を加味すれば分厚い壁を突き破っても不思議はない。ダート9戦すべてで上がり3位以内という堅実な末脚も、直線の長い東京では大きな武器になる。

 長らく砂王の座に君臨していたホッコータルマエの引退に象徴されるように、少しずつ新陳代謝が進みつつあるダート界。伸びシロ十分の新星グレンツェントが、砂の絶対政権を築く日もそう遠くないだろう。