【ジャパンカップ】昨年のJC当日に負傷…吉田隼にとってゴールドアクターは「僕の先生」

2016年11月24日 13時00分

昨年の有馬記念をゴールドアクターで制し、GIを初制覇した吉田隼(撮影=平松さとし)

【平松さとしの重賞サロン】2015年11月8日。競馬場帰りで知人と飲んでいた私は、ひょんなことからその席に吉田隼人騎手を誘うことになった。

 

「今日はめでたい席だから合流しますよ」

 

 隼人騎手はそう言って本当に駆けつけてくれた。同騎手はこの日の東京メーン・アルゼンチン共和国杯をゴールドアクターに乗って制していた。

 

「次はジャパンCに行ってほしいけど、どうやら有馬記念らしいです」

 

 そう言って少し残念そうな表情をみせた。しかし、何がどう転ぶか分からない。ジャパンC当日、同騎手は負傷。もしゴールドアクターが使っていたら乗り替わりになるところだった。

 

 隼人騎手のけがは有馬記念にも間に合うか、微妙という重傷だった。しかし「ゴールドアクターにはいろいろなことを教わってきました。僕の先生なんです。だからこの大事なレースで他の騎手に明け渡すわけにはいきません」という思いを胸に懸命にリハビリをし、ギリギリ間に合わせた。人馬ともに初めてとなったGI制覇はそうして勝ち取ったレースなのだった。

 

 2年越しで今年はジャパンCへの出走がかなった。

 

「“先生”は年齢に反比例してうるさくなっている。もっと落ち着いてほしい」と口をへの字に曲げる隼人騎手。ゴールドアクター先生はそうやってまた何かを教えてくれているのかもしれない。