【みやこS】アポロケンタッキー重賞初Vも素直に評価できないワケ

2016年11月07日 21時30分

重賞初制覇を果たしたアポロケンタッキーをねぎらう松若

 GIIIみやこS(6日=京都ダート1800メートル・1着馬に12・4チャンピオンズカップ優先出走権)は中団追走の4番人気アポロケンタッキー(牡4・山内)が直線で力強く伸びて重賞初制覇。春にオープン特別を連勝した実力が本物であったことを改めて証明した。

 

「調教に乗せていただいたので癖はつかんでいました。モマれ弱いところがありそうだったから、できるだけ自分から動いて行く競馬を心掛けました。能力はあるのは確かだし、今後はもっと成長してくれると思います」

 

 初騎乗となった松若は、会心のレースに笑顔がはじけた。終始、外めを回るロスの多い競馬ながらも差し切って視覚的には強い内容。しかし、時計的には同日8Rの牝馬限定戦(1000万下)の時計を0秒6上回るだけ。カゼノコ(10着)、アスカノロマン(14着)の重賞ウイナーが58キロを背負ったのに対して、56キロと2キロ軽い斤量が有利に働いたのは間違いないところ。レース全体のレベルには疑問符がつく。

 

 2001年に地方競馬の祭典としてJBCクラシックが新設(16年は1着賞金8000万円)されたことで、近年のみやこSは超一流馬の出走が激減。実際に今年のJBCクラシック(3日、川崎)はダート6戦6勝となったアウォーディー、GI・10勝のホッコータルマエなど豪華な顔触れだった。事実上は同レースがGIチャンピオンズC(中京ダート1800メートル)の最重要ステップとして定着している。

 

 みやこS→チャンピオンズCと連勝をしたのは10年のトランセンド以来出ておらず、メンバーのレベルが相対的に低下→レースレベルが落ちているのは否定できない。今年もその傾向をひっくり返すほどの数字や内容は出なかった。これが今年のみやこSの総括だ。

 

 山内調教師が不在で次走についての明言はなかったが、2000メートル以上で良績を残していた馬が、よりスピードが要求される1800メートルの重賞を制し自身がレベルアップしているのは間違いない。

 

 しかし、まだ一線級とは未対戦。チャンピオンズCに向かったとしても、現状ではキャリア面で苦戦を強いられることだろう。猛者たちの胸を借りて経験を自らの血と肉に変えられるか――。キャリア17戦の4歳馬にとって、結果よりもこれから歩んでいく“過程”が重要なものとなる。