【21世紀的名馬伝説】天覧競馬で後世に語り継がれる美しいシーンを演じたエイシンフラッシュ

2016年10月28日 12時00分

エイシンフラッシュ

 近年のグッドルッキングホースといえば、2010年の日本ダービー馬エイシンフラッシュを思い浮かべる人が多いのではないか。

 まず顔がハンサム。さらに馬体が見栄えのする黒鹿毛。均整の取れた漆黒の馬体が陽を浴びると、馬名の通り、まさにフラッシュを浴びたようにまばゆく輝く。さらに、この“イケメン”は容姿だけでなく、人々の記憶に残る感動のシーンを演出した。

 2005年にヘヴンリーロマンスで勝利した松永幹夫騎手(当時)が馬上で陛下に敬礼した名シーン以来7年ぶりの天覧競馬となった12年の天皇賞・秋。インを閃光のように突き抜け、ダービー以来となる復活の勝利。観衆の興奮も冷めやらぬ中、ウイニングランでメーンスタンド前に差し掛かると、鞍上のミルコ・デムーロは馬上からではなく馬から下り、来賓室の両陛下にひざまずき、最敬礼——。

 レース直後で当然のように興奮状態だったエイシンフラッシュも、その時だけは静かに立ち止まった。その一瞬は間違いなく、後世に語り継がれる美しいシーンだった。

 サンデーサイレンス系全盛の時代にあって、その血をまったく持たない配合。しかもドイツ血統ながら日本での相性もいい血を持つエイシンフラッシュには種牡馬として未知の魅力が広がる(17年に初年度産駒デビュー)。

 できることなら…今は米国にいるヘヴンリーロマンスが、いつか日本に戻った際に、このイケメンにほれて(?)、天覧ベイビーが誕生することを夢見たい。

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