重賞未勝利の国枝厩舎…今週は「富士S=ダノンプラチナ」「菊花賞=プロディガルサン」で勝負ウイーク

2016年10月20日 21時30分

プロディガルサンは“2強対決”に食い込む余地あり

【美浦発トレセン秘話】「いよいよですかねぇ」と言い始めてから4か月が経過した。気がつけば、リミットまで2か月余り。何のことかといえば、今季重賞を勝ち切れないトップ厩舎の話である。

 

「そういうことは見て見ぬフリが礼儀だろう」と指揮官は言うが、重賞機会4連勝を飾った2008年の勢いはどこへやら。今季JRA通算30勝と勝ち鞍は相応に伸びているが、重賞未勝利では盛り上がりを欠くのは否めない。

 

「いやいや、去年も重賞勝ちはGIII富士Sだけ。最近そんなもんですよ」と意外な事実をこっそり明かしたのは椎本英男助手。これでネタバレか。意外にも今、重賞と最も縁遠い位置にあるのが、“東の雄”国枝厩舎なのである。

 

「“一度あることは二度ある”って言うだろ。ならば今年もここで決めようじゃないか」

 

 国枝栄調教師がこう言って富士S(土曜=22日、東京芝1600メートル=1着馬にマイルCS優先出走権)に送り出す昨年覇者ダノンプラチナ。単なる応援ではなく、当方にも“ついに”の予感が漂っている。当然ながら最大目標はマイルCS。秋初戦からビッシリ仕上げるはずもなく、ある意味、トップハンデ58キロを背負った京成杯AHは納得の3着だ。その意味では今回も余裕残し? 確かにそうだが、着目すべきはGIを秋3走目に当てた経緯にある。

 

「当初は富士Sをパスするプランもあった。もともと爪の弱い馬だし、一度使うと体も減る傾向にあったからな」

 

 つまり今回の出走は、それらの不安が皆無であることの裏返しとなる。

 

「気性が随分穏やかになったもん。落ち着いているのが、減らない一番の要因だろうな。それに今は秘密の蹄鉄を使用しているのがミソ。追突防止用のプロテクト鉄を左前に履いたことで、爪に衝撃が残らなくなった」

 

 勝った昨年より斤量は3キロ増でも、半年ぶりの実戦だった昨年とでは順調度が大違い。10年連続重賞Vのメモリアルを決めるには、ここが最大のチャンスになろう。

 

 とはいえ、富士Sを逃した際も、今週は希望がまだ翌日に残されている。そう、菊花賞(日曜=23日、京都芝外3000メートル)出走のプロディガルサンである。「(蛯名)マサヨシの抑え込みにやられた」とトレーナーが振り返る通り、セントライト記念(3着)は直線でディーマジェスティと接触する不利。あれがなければかなり際どかったはずで、“2強対決”に食い込む余地あり――。国枝厩舎にとってはダブルリーチの勝負ウイークである。