【凱旋門賞】JRA売り上げ41億円…果たしてどれだけのファンが納得して馬券を買えたのか

2016年10月05日 21時31分

凱旋門賞を制し、声援に応えるムーア=ファウンド(ロイター)

【凱旋門賞(仏シャンティイ競馬場芝2400メートル):記者の総括】「このような結果になって申し訳ありません」

 

 レース後の友道康夫調教師の第一声は謝罪の言葉だった。日本馬を代表しての出走に、膨らみ続ける周囲の期待。そのプレッシャーが小さくなかったことは、栗東で知るトレーナーとの表情の違いでなんとなく分かる。気さくな態度は同じでも、その顔に生気がないように感じた日が少なからずあったものだ。

 

 確定版の本紙見解でも触れたように、最終追い切りで見たマカヒキの姿も、日本でのそれと少し違うように見えた。特にピークだった日本ダービー時とでは馬体のツヤ、トモの張りともに物足りないように感じた。それでも直線で下がるだけの結末になるとは考えもしなかったが…。海外遠征の難しさを改めて思い知ったレースだった。

 

 すでに2桁に到達しているであろう記者の海外出張。多くの馬の海外遠征に同行し、常に“頑張れ、ニッポン!”的な記事を書いてきた。その立ち位置は今回も同じ。しかし、週末が近づくにつれ、これまでの取材との大きな違いに悩まされることになる。

 

 JRAでの馬券発売――。純粋に日本馬を応援するのではなく、シビアな予想を求められる。だが、これは自分の中で解決できる問題でもある。

 

 むしろ最大の問題は外国馬の情報不足――。それまでの戦績と少ない情報だけを頼りにして、予想をしなければならないジレンマ…。「百聞は一見にしかず」を予想の根幹にしている記者にとって、調教映像さえも満足に見られないのは、つらいことだった。

 

 装鞍所でイレ込み、どの馬よりも早くパドックに移動させられていたのは、他ならぬポストポンド。それが今回に限ったことなのか? それとも元来がイレ込み癖のある馬なのか? 大レースに挑む1番人気馬のキャラも知らずに予想をする無念さを感じたのは、発走の数十分前。こんな状況こそ、ファンに伝えたかったことだ。

 

 JRAの今回の売り上げは約41億円。当初の予測をはるかに超える大成功だったわけだが、競馬ファンが納得して馬券を買ったかとなると微妙なところだろう。今後も続く海外競馬の馬券発売。肌で感じた多くの課題の一つひとつをクリアし、次に臨みたいと考えている。