【エルムS】天国の母に重賞Vを! モンドクラッセ清水英調教師の思い

2016年08月11日 21時30分

モンドクラッセで7つ目のJRA重賞制覇を目指す清水英調教師

【平松さとしの重賞サロン】20年前後も前の話だ。横山典弘騎手の実家で行われた食事会に呼んでいただいた。その席で、当時、調教助手だった清水英克現調教師が「将来、調教師になる!!」と宣言した。

 

「おまえには無理だよ」

 

 誰かがそう口にすると、皆、次々と同意した。

 

「みんなに笑われたことで負けず魂に火が付いた」と語る清水英師は2005年、7度目の受験で見事に調教師試験に合格してみせた。

 

 こうしてやっと調教師になった時、ひとつの試練が彼に襲い掛かった。母親ががんであると診断されたのだ。

 

「開業も初勝利も、病床に報告する形になりました」

 

 看護のかいもなく、それからわずか2か月で母親は息を引き取ったという。

 

 それから数年が過ぎた時のことだ。なかなか成績の上がらない時期にふと思うことがあった。

 

「信頼して預けてくださる馬主、牧場、そして一生懸命働いてくれている厩舎スタッフら、多くの人に迷惑をかけているのではないか…」

 

 正直、調教師を辞めようかとも考えたという。

 

「でも、初勝利を喜んでくれた母の笑顔を思い出すと、もう少し頑張ろうという気になれるんです」

 

 その清水英師のモンドクラッセが今週のエルムS(日曜=14日、札幌ダート1700メートル)に出走する。

 

「この時期が合う馬で、状態はさらに良化している」と師。お盆に重賞勝利を報告できることを祈りたい。