【21世紀的名馬伝説】ハクサンムーンは「回りながら」出世していったまれな馬

2016年07月29日 12時00分

ハクサンムーン(提供=秋田書店)

 ハクサンムーンといえば、旋回癖。重賞3勝、GⅠ・2着2回と本職の競走でも立派な成績を残しているのだが、馬場入り直後にぐるぐる回るパフォーマンスはそれを超えるほど(?)有名だ。

 馬場の入り口で止まって何十分も動かない、乗り手の指示を無視して自分の馬房に帰ってしまう…競走馬が走る場面以外で奇妙な癖がついてしまうと大体成績は下降していくもの。しかし、諸情報を総合すると、ハクサンムーンは早期から回転を始めていた。「回りながら」出世していったまれな馬だ。

 しかも、改めて映像を確認すると、その回転は自らの肉体にも容赦がない。三半規管をまひさせるに十分な高速旋回だ。仮に馬に特別な“耐性”があったとしても…ジョッキーのダメージは相当なもの。主戦・酒井騎手は回り終わった時点でどんな全身状態なのか。公正競馬に影響はないのか。心配になる。

 さて今週の新潟メーンは、日本で唯一の直線重賞、アイビスサマーダッシュ。実はこのレース、ハクサンムーンは13年に優勝している。

“回る馬”がトラックを“回らない”レースを勝つというのはミスマッチな感じがするが、当時のレース動画を見ると隙あらば自身が好みの右旋回をしてやろう、という意欲が満々…外ラチにハナ面を向け、斜めになりながら走っており“らしい”勝利といえる。

 今年は残念ながらこのレースにエントリーはなかったが、9月のセントウルSで復帰予定。おそらく今季がラストシーズンとなるはずだが、回る快速馬は悲願のGⅠタイトルを手にすることができるか?

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