【英GIプリンスオブウェールズS】エイシンヒカリ最下位6着 高かった「アスコットの壁」

2016年06月16日 09時02分

 世界一の称号を得た馬がまさかのシンガリ負け——。現地時間15日、英アスコット競馬場で行われたGIプリンスオブウェールズS(芝約2000メートル)に出走したエイシンヒカリ(牡5・坂口)は無抵抗に後退し、6頭立ての6着に敗れた。国際競馬統括機関連盟が制定する「ワールドベストレースホースランキング」で129ポンドを獲得。レーティング1位に輝いたスーパーホースに一体、何が起きたのか?

 香港カップ、イスパーン賞に続く、日本馬初の海外GI・3連勝の快挙はならなかった。

 エイシンヒカリはゲートが開くとゆったりとした走りで自然にハナへ。ここまでは鞍上の武豊のシナリオ通りだっただろう。が、その後からは人馬一体とはいかず、かかり気味に。直線では早々に手応えが怪しくなり、一気に馬群にのみこまれた。

「雰囲気はすごく良かったんだけど…。最初のコーナーを曲がったあたりから、かかってしまいました。道悪馬場の影響? それはいい訳にならない。いい状態だっただけに残念。競馬は難しいですね」と唇をかんだ。

 それにしても…。レースを制したマイドリームボートは前走の仏GIイスパーン賞でエイシンヒカリに14馬身以上ぶっちぎられた馬。敗因は相手関係とは別なところに求めざるを得ない。

 勝ち時計2分11秒38に象徴される通り、アスコットのただでさえ深いターフは、雨の影響も加わり相当タフな状態になっていた。しかもスタート地点からどんどん下って(2000メートルの場合600メートルほど)、その後ゴールまで上る起伏の激しいコースで、その高低差は実に20メートル以上。ただでさえタフなコースに、タフな馬場では、エイシンヒカリがそのスピードを持続させるのは難しい。

 エアシャカール(2000年キングジョージ6世&クイーンエリザベスS=5着)、ハーツクライ(06年同レース=3着)、そして昨年、このプリンスオブウェールズSに挑戦したスピルバーグ(6着)…。極東から来た挑戦者は過去も何度となく退けられている。

 基本的に「スピード&瞬発力」が売りの日本馬にとっては、このアスコットの舞台は香港、ドバイはもちろん、欧州最高峰の仏GI凱旋門賞以上に高い壁なのかもしれない。