【日経新春杯】重賞2勝目レーヴミストラルの不安材料をあえて挙げるなら

2016年01月18日 21時00分

道中最後方から川田=レーヴミストラル(左)は直線一気で圧勝。ケタが違った

 GII日経新春杯(17日=京都芝外2400メートル)は、川田騎乗のレーヴミストラル(牡4・松田博)が優勝。道中最後方から直線一気の末脚で他馬をゴボウ抜きし、青葉賞以来となる重賞2勝目を挙げた。記録に残る1986年以降、最速となる上がり33秒1の決め手を駆使した同馬の未来は明るいが、一方で気になる材料も…。レース後の取材をもとに検証する。

 

 このメンバーではケタが違った。3ハロン通過=36秒1は過去10年で一番遅く、そこからさらにペースが13秒0→12秒9では流れは明らかなスロー。道中最後方の位置取りでは絶体絶命のはずだった。しかし、いざ追い出すと他馬とはまるで違う加速力。ゴール手前で楽々と決着をつけてしまったのだから恐れ入る。

 

「(松田博)先生の好きな勝ち方でしたね。求めても自分から進むほうではないですし、リズムを大事に運びました。4角を回った時の手応えがすごく良かったですし、前走とは全く違うはじけ方をしてくれました」と鞍上の川田。今年2月いっぱいで定年となる松田博調教師には目をかけてもらってきただけに「先生の厩舎で重賞を勝つラストチャンスかもしれないと思っていました。無事に勝ててホッとしていますし、寂しい気持ちもあります」と定年間近のはなむけV?を感慨深げに振り返った。

 

 春の天皇賞を目標にする馬が多数出走しながら、過去10年の勝ち馬が同年の春天を勝ったことがない日経新春杯。本来、GIとの直結度が薄いレースなのだが…。スローで折り合い、上がり3ハロン33秒1の決め手を繰り出した今年の勝ち馬は、淀3200メートルにピッタリの競馬で楽勝した。ここに矛先を向けるようなら、有力な一頭として数えられるはずだ。しかも、今年はラブリーデイ、エイシンヒカリなど、有力馬が距離を嫌って春天を早々とパス。海外遠征に出て行くというのだからなおさらだろう。

 

 あえて不安点を挙げるとすれば、松田博調教師が定年となった後に転厩するX厩舎。無理せずじっくり育てることで素質を開花させる松田博流の調整が、この馬にマッチしていたのは現在の充実度が物語る。3月以降、別厩舎でその調整がガラッと変わってしまうようでは、馬のリズムを崩すことにもなりかねない。

 

 次走は未定としながらも「自分としてはもう一度2200メートルを使いたい気もある」とGII京都記念(2月14日)への出走をにおわせた松田博調教師。「この馬は今からが楽しみ。暖かくなったらもっと良くなるで」と話すトレーナーの手腕に改めて感服するとともに、X厩舎がどこになるのか、大いに気になるところである。