アンカツ 2016年競馬界へ大激言!

2016年01月01日 17時00分

若手ジョッキーたちよ、アンカツの言葉を聞け!!

 若手ジョッキーに喝! 本紙連載「GIはアンカツに聞け!!」で名指南師ぶりを存分に発揮している安藤勝己元ジョッキーが、外国人騎手が幅を利かせる現状に緊急提言だ。地方・笠松からのし上がった“叩き上げ”だからこそ、アンカツの言葉には魂が宿る。乗って、乗って、乗りまくる以外に真のジョッキー道を極める手段はない――。

 

 2015年は日本競馬にとって革新的な年になったわな。ジョッキーの「国際化元年」ともいうべき出来事…ミルコ(デムーロ)、ルメールの両外国人ジョッキーがJRA所属になったことはそれだけ大きなことやったと思うわ。

 

 2人の活躍については、いまさら多くを説明する必要もないやろな。途中からの参戦ってハンディもあったのに、2人とも年間100勝を楽々クリアしたわけやからね。ルメールは阪神JF、ミルコに至っては皐月賞、ダービー、チャンピオンズC、朝日杯FSとJRAのGIタイトルを4つもゲットしよった。

 

 外国人騎手のすごさはファンの皆さんもよう分かっとることやと思うわ。移籍組の2人だけやない。短期免許で来日したムーアにしても、とんでもないやろ。気性的に乗り方の難しいあのモーリスでマイルCS→香港マイルと連勝してまうし、ジャパンC当日は徹底的にインにこだわる騎乗で人気薄のラストインパクトを2着に持ってくるしで…。元(日本人)ジョッキーって立場からすれば、つらいことやけど、「外国人騎手が乗ってる馬を買っとけば馬券は当たる」って気持ちにファンがなるのも仕方ない気がするわ。

 

 外国人と日本人の違いって何なんやろな? 体格やパワー、そして技術の差ってのは確かにある。でも決定的な差はそこで生まれとるんやないと思うんや。これまで乗ってきた馬の数はもちろん、タイトな競馬をどれだけこなしてきたか。結局は「経験値」の差が大きいんやないかな。

 

 このところ、日本馬が頻繁に海外遠征するようになったで、世界の競馬がグッと近くなってきとる。そんな中で、よう言われるんは「悲願の凱旋門賞制覇」はいつになるか。日本馬、日本人騎手が凱旋門賞を勝てば、そりゃ喜ばしいことなんやけど、率直に言わせてもらえば、俺には日本人騎手が凱旋門賞を勝つイメージがどうしても湧いてこんのや。

 

 向こうの競馬では、そう簡単にいいポジションは取らせてくれん。騎手同士の駆け引きがかなりシビアやからね。日本人はそんな競馬に慣れとらんで、いきなりロンシャンで乗って勝てるほど、凱旋門賞は甘くないって話になってまうわけや。

 

 マジで凱旋門賞を狙うんであれば、本番数か月前には渡欧して、ある程度向こうの競馬を経験すべきやと思うわ。えっ、俺が現役やったらどうかって? んなもん、勝てるわけないやろ(笑い)。まあ、しばらく向こうで乗るなりして、相当な準備をすれば何とかなるのかもしれんけど、いきなりで勝つ自信なんて全然ねぇわ。それくらい日本と向こうの競馬では質が違う。だからこそ、あらゆる面で経験を積むことが大事になるんや。

 

「経験」に関していえば、海外で勝つうんぬん以前に、とにかく乗り続けることこそが重要なことやろね。夏場やったかな。某月刊誌でミルコとの対談企画があったんやけど、その時にアイツも「何をおいても、若いうちはバンバン乗って、いろんな経験をすることが重要」って言っとったわ。

 

 ミルコに言わせれば、日本の若手騎手は海外に比べればかなり恵まれとるそうや。向こうには「減量騎手特典」がないで、日本ほど乗せてもらえる機会は多くないようやでな。アイツの気持ちを代弁すれば「せっかく減量の恩恵を受けてるんだから、そのチャンスを生かせ。そして自分をもっとアピールしろ」ってことなんやないかな。

 

 いずれにしても、乗り数をこなすのは絶対に必要なこと。その点、俺の若いころ、公営時代は恵まれとったわ。JRAみたいに土日だけじゃなく、年がら年中、競馬開催があるんやからな。とにかく馬に乗ることに困ったことはなかったし、そこで得たもんが後々になっても生きることになったわけや。

 

 若い騎手たちに俺から言っておきたいことはただ一つ。「チャンスがない」ってこぼす暇があったら、ひと鞍でも多く乗るための努力を最大限にしろってこと。JRAやなくてもええ。地方でも海外でも何でもええから、いろんなところで積極的に競馬に参加して、経験を積まなアカン。ちょっと精神論的なことになってまうけど、新世代をリードする若手の出現、そして海外でも活躍できる日本人ジョッキーが誕生するかは、貪欲に経験を積もうとする姿勢、飽くなき向上心を持ち続けられるかにかかってると思うわ。