国枝調教師が“厳密すぎるゲート試験”の問題点を指摘

2015年06月05日 18時00分

2歳新馬テオドール

【美浦発トレセン秘話】ドゥラメンテの2冠達成の興奮も冷めやらぬまま、今週から2歳新馬戦が「ダービー・トゥ・ダービー」のコンセプトのもとスタートする。

「これが来年のダービー候補。兄の無念を晴らしてみせるよ」

 ダービー7着(タンタアレグリア)から早々と気持ちを切り替えるのは国枝栄調教師。“これ”とはリアルスティール(ダービー=4着)の全弟プロディガルサン(東京3週目=20日の芝1600メートルでデビュー予定)で、入厩当初から2歳離れした瞬発力を披露。すでに厩舎内で「モノが違う」との声も上がる逸材だ。

 しかし、当の指揮官は、一方で2歳新馬のデビュー過程における制度に対し、少なからぬ不満を抱えている。きっかけは同じ2歳新馬テオドールのゲート試験だった。

「これは東京開幕週に下ろす予定で、いの一番に入厩した馬。それがゲート試験に何度も落ちてすっかり予定が狂った。3回目では乗っていた(北村)ヒロシも“不合格にする意味が分からない”と不満を漏らしたほど。いかに能力があってもきれいにゲートを出なきゃ走らせない。この発想っておかしくないか?」

 ポイントは競馬において何が重要であるかということ。それは言うまでもなく、ゲートを出る瞬間ではなく、ゲートからゴールまでの全体スピード。現行の厳密なゲート試験は競馬の本質から外れていないか…そう国枝師は指摘するのである。

「代替プランは当然あるよ。公営競馬にはゲートからゴールまでを見定める見事なテストがあるじゃないか。そう、能力試験。今ネットでは能試の模様を全馬チェックできるし、公営ファンは初出走でも馬のイメージをしっかり持って馬券を買っていると思う。これを中央でもやれば、ファンも今まで以上に新馬戦を楽しめるはずなんだ」

 むろん、能試の具現化は簡易ではない。競馬場で日々の調教を行う公営と違って、中央はトレセンから競馬場まで試験のたびに馬の移動を余儀なくされる。さらに芝、ダートに出走する意思を確認して振り分ける必要性もあろう。ただ、ファンサービスという観点に立てば、現行のゲート試験より格段に素晴らしいのは確か。一考の余地はありそうだが…。