ステイゴールド急死を惜しむ池江調教師「闘争心と心肺能力が非凡」

2015年02月06日 16時00分

大接戦の末、「香港ヴァーズ」を勝利。現役最終戦で初GI制覇を飾ったステイゴールド(手前)

 3冠馬オルフェーヴル、GI・5勝馬ゴールドシップ、グランプリ2勝馬ドリームジャーニー、仏GI凱旋門賞2着馬ナカヤマフェスタ…トップホースを数多く輩出してきた種牡馬ステイゴールド(21歳)が5日、けい養先の北海道日高町のブリーダーズスタリオンステーションで急死した。今年初めての種付けを終えた後体調が急変し同日夜に息絶えた。死因は不明だ。

 ステイゴールドは、1994年生まれ。父サンデーサイレンス、母ゴールデンサッシュの間に生まれた。現役時代は目黒記念、日経新春杯とGIIを2勝したが、国内GIでは天皇賞・秋2着、有馬記念3着など勝利に一歩届かない善戦型だった。しかし7歳で臨んだ海外遠征で覚醒。2001年3月のドバイシーマクラシック(当時はGII)を勝ち、同年暮れの香港ヴァーズを快勝。引退戦でGI初制覇を果たした(JRA48戦5勝、海外2戦2勝)。

 現役引退後は種牡馬として大物(ドリームジャーニー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴル、マイネルネオス、ゴールドシップ、フェノーメノ、レッドリヴェール)を次々に送り出し一流サイアーとして君臨していた。同じサンデーサイレンス系のライバル・ディープインパクトが決め手とスピードを武器にしているのに対し、ステイゴールドはパワーとタフネス、成長力が売り。相対的に産駒数が少なく、気性がムラでコンスタントに勝ち星を稼ぐタイプではないためリーディングサイアーにはなれなかったが、ここ一番での無類の強さを発揮、後輩ディープ2世を撃破するシーンを何度も演出した。

 このように強烈な個性で日本の競馬サークルを引っ張ってきただけに、今回の急死は惜しまれる。

 調教助手時代に海外遠征に帯同し、トレーナー転向後は代表産駒ドリームジャーニー、オルフェーヴルを管理した池江調教師は「昨日(5日)夜に知った。非常に残念」と働き盛りでの急死を惜しんだ。続けて「一番の思い出は香港ヴァーズを勝ったこと。現役時代はどうしてもGIを勝たせてあげられずにスタッフとして歯がゆい思いをしていたので本当にうれしかった」。種牡馬としては「闘争心と心肺能力が非凡。これは現役時代のステイゴールドもそうだし、オルフェーヴル、ドリームジャーニー3頭に共通すること。実戦が終わった直後でも息が上がらずケロッとしていたことが何度もあった」。

 一方「黄金の旅路 人智を超えた馬・ステイゴールドの物語」で14年度JRA賞馬事文化賞を受賞した石田敏徳氏は、「突然のことで驚いています。先日の授賞式では元気だと聞いていましたから。ステイゴールドは決して恵まれているとはいえない環境からスタートして大種牡馬になりました。そこに興味を覚えたのが本を書くきっかけでした。本当に感謝の言葉しかありません」。突然の死を悼んでいた。