ジャパンCはテン乗り仏スミヨンの4馬身楽勝。エピファネイアはそう切れる馬ではない。だから叩き合いの辛勝はあっても、2着以下をちぎることなど想像だにしなかった。
これも世界№1スミヨンの腕。今やターフを華麗に舞った往年のデットーリを彷彿させる騎乗。いや、腕っ節ならスミヨンの方か。
掛かり癖のある500K近い大型馬をくるぶし一つで押さえ込む欧州仕込みの技術。腕力もある。エピファネイアはその技術に丸め込まれた。だからスタートからゴールまで従順に従った。
それに馬場や枠順&展開ともエピファネイアに味方した。が、それがあってもエピファネイアの4馬身勝ちは誰にもできまい。今年のJCはここ一番の大舞台に強い勝負師スミヨンのパワー全開に尽きる。
エピファネイアの勝ちタイムは2分23秒1。良馬場発表ながらかなり下の緩い馬場。馬場差は1秒ちょっとあった。例年のようなパンパン馬場であれば、デットーリがアルカセットで打ち立てた11年のレコードに匹敵する時計。
これを3番手で直線半ばまで追い出しを待つ余裕があれば、誰もこの馬をとらえることはできない。ラスト1Fで逆に着差が開いた。
エピファネイアは押さえ込んだところでそう切れない。切れ味よりスタミナであることは不良の菊花楽勝が証明している。
まさか切れ味のJCがスタミナのJCに変貌するとは思いもよらなかったが、一貫して速く、上がりのかかるレースが合っているのだろう。次の有馬も自分から動いて、自分のペースに持ち込めるかどうかだ。福永にかかっている。
力の勝負になれば切れ味の牝馬に出番はない。ジェンティルドンナ=4着、ハープスター=5着、デニムアンドルビー=11着。
ジェンティルは絶好の内枠からロスのない完璧な競馬で4着。馬場より年齢的な衰えだろう。ハープは勝ち切るまではともかく、まともなら2着があった。3コーナー過ぎで故障発生のトレーディングレザーと接触、進路を大外に切り替えねばならなかった。よく落ちなかったというのが正直なところ。これも勝負ごとである。
いずれにせよ、これで牝馬の連勝が途絶えた。「牝馬のワンツースリーまであるのではないか」と睨んだ当方の読みはとんだお門違い。得た教訓。人気が被りすぎた牝馬にはトゲがある。あまりに信用しすぎると痛い目に合うということか。それでもJCの負けは最後の京阪杯で取り戻させて貰った。だから競馬はやめられない。
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