【ジャパンC】1980年代の貴重なJRA資料(3)「西ドイツ」の見出しが躍るガイドブック

2014年11月26日 11時00分

84年のジャパンカップ・ガイドブック

 東西ドイツが再統合されたのは1990年10月。80年代のジャパンCのドイツ調教馬資料にも当然“西”がついているのだが、実際に「西ドイツ」の見出しが目に入る(写真は84年のジャパンカップ・ガイドブック)と、このレースの歴史の長さが感じられる。

 文中のドイツ競馬の紹介はなかなか面白い。

「西ドイツは欧州屈指の国力を持つが競馬の規模は小さい。政財界が競馬に対し歴史的に冷淡で、その流れで報道量も少ない。これはゲルマン民族が繊細なサラブレッドより力強い中間種(繋駕速歩などに使われる)を好むこと、土地がやせていること、さらに第二次世界大戦で敗れて東西に分裂されてサークルのパワーが削がれたため」と指摘している。

 当時のシステムについては内向的、保護主義的で欧州トップ級の競走馬を出したことはないと指摘している。一方で生産の底力は評価しており、ドイツ血統の血を引く一流馬は複数出ているとしている。

 結局現在までジャパンCでドイツ馬が好走したのは95年ランドだけだが、デインドリーム(2011年凱旋門賞)をはじめ、近年の欧州圏でのドイツ系の活躍はご存じの通り。先見の明ありの鋭い指摘だった。