【豪GIメルボルンC】アドマイヤラクティ突然死の衝撃

2014年11月05日 16時00分

 豪州競馬の祭典でまさかの事態が起きた。4日に行われたオーストラリア最大のGIメルボルンカップ(フレミントン競馬場・芝3200メートル)に参戦した日本馬アドマイヤラクティ(牡6・梅田智)が最下位に敗れた直後、引き揚げた馬房の中で絶命した。死因は心臓系の疾患とみられるが、地元でも支持を集めた本命馬の突然死はファン、関係者に大きな衝撃を与えている。

 よもやの惨敗に追い打ちをかけるような、直後の悲劇だった。

 初GI制覇となった前哨戦のコーフィールドC(芝2400メートル)の強い競馬が評価され、トップハンデの58・5キロを背負いながらも堂々の1番人気。22頭立ての7番ゲートから好スタートを決めたこの日のアドマイヤラクティは、2番手の位置どりでレースを進めた。

「何が起きたか分からないが、手応えがなくなった」

 鞍上のZ・パートン騎手はレース中盤に異変を感じたというが、最終コーナーで失速し、ズルズルと後退。直線では馬群からポツンと大きく離された。何とかゴールにたどり着いたものの、最下位の22着。優勝したR・ムーア騎乗のプロテクショニスト(牡4・独、56・5キロ)から約73馬身遅れての入線だった。

 疲労こんぱいのアドマイヤラクティはその後、鞍を外して厩舎に戻ったが、そこで力尽きてしまう。馬房で倒れると、そのまま息絶えた。

「レース直後から馬の様子はおかしかった。でも、他馬を巻き添えにせず最後まで馬は頑張ってくれました。日本からもファンがたくさん駆けつけてくれたのにこのような結果になって残念です。(近藤利一)オーナーも“応援本当にありがとうございました”ということをファンの皆さんに伝えてほしいと…」

 管理する梅田智之調教師は無念の表情で声を詰まらせた。死因は検視の結果待ちだが、心臓発作などによる突然死とみられている。

 海外GIに挑戦した日本馬の悲劇といえば、1997年の第2回ドバイワールドカップでのホクトベガの事故がある。雨で順延されて行われた同レースで、最終コーナーで転倒。左前脚を複雑骨折して安楽死となった。

 一方、心臓系の疾患による事故死では2001年のGIIアルゼンチン共和国杯で4着となったダイワカーリアンが、引き揚げる際の地下馬道で絶命した例もある。

 前走のGI制覇に続き大きな期待を背負う中での信じられない最期となってしまったが、梅田智調教師の言うように、精根尽き果てながら周囲を巻き添えにしなかったことがせめてもの救いだった。(平松さとし)