【アイビスSD】完勝セイコーライコウ GIでも通用するか

2014年08月04日 20時01分

まさに直線競馬の申し子とも言えるセイコーライコウ

 サマースプリントシリーズ第3戦のGⅢアイビスサマーダッシュ(3日=新潟芝直線1000メートル)は、セイコーライコウ(牡7・鈴木康)が1番人気に応えて優勝。2走前の韋駄天Sに続く楽勝で、千直への非凡な適性を見せつけた。陣営はスプリンターズS(10月5日=新潟芝内1200メートル)参戦を表明したが、果たしてGIでの可能性は?

 5月の韋駄天Sに続き、今回もノーステッキでの完勝。“灼熱の電撃戦”ともいわれるスピード比べを、冷や汗ひとつかかずに制したのはセイコーライコウだった。

 前半は慌てず騒がず7番手から。「一頭になるとソラを使う」(鈴木康調教師)こともあり、道中は並走相手を探しながら、ゆっくりと位置を上げていく。ラスト1ハロン過ぎでようやく手綱をしごかれると、一杯にムチを入れられる他馬を尻目に悠々と抜け出した。

 涼しい顔だったのは鞍上の柴田善も同じだ。「やっぱり千直は強いね。前回、この条件を馬なりで勝ったのはダテじゃなかった。内枠の不安も全然なかったし、自信がありましたから」

 普段はあまり大きなことを言わない男だけに、よほど手応えがあったのだろう。こと直線競馬に限れば、日本一強い馬かもしれない。

 と、ここまでは順風満帆。問題はここからだ。「夏場はあまり得意ではない」と鈴木康調教師。そのため、次走はサマースプリントシリーズ対象レースではなく、秋のスプリンターズSへ直行予定。

 過去にはカルストンライトオ(2004年)やハクサンムーン(13年)が、ここを足がかりに好走しているが、気になるのは過去のデータ。今回のセイコーライコウのように、アイビスSD制覇が初めての重賞好走(3着以内)だった馬はこれまで6頭。そのうちの4頭はその後のGIで好走できなかった。例外はサンアディユ(07年)とエーシンヴァーゴウ(11年)だが、この2頭はアイビスSD後にGⅡセントウルSを制しており、コーナーのある重賞でも結果を残した。つまりアイビスSDの実績だけを頼りにスプリンターズSで好走した馬は一頭もいないのである。

 果たしてセイコーライコウはコーナーがある6ハロン戦でも活躍できる“正真正銘の短距離王”なのか、あるいは“千直限定の王者”なのか? 過去の歴史を踏まえると、越えるべきハードルは決して低くないように思えるが…。