【競馬JAPAN】油断が生んだ裏目千両

2014年05月30日 10時01分

 

【清水成駿の競馬春秋】

 3度目の直接対決でヌーヴォレコルトが、ハープスターの追撃をクビ差凌ぎ切った。チューリップ賞(2着)で21/2馬身開いた着差が、桜花賞(3着)では1馬身まで詰めたあとのオークス大逆転劇であった。

 

 両馬を上がりの比較でみてみよう。チューリップ賞がハープの33秒7に対してヌーヴォの34秒7。キッチリ1秒の開きがあった。つづく桜花賞は着差こそ詰めているものの、上がりは相変わらず0.9秒、やはりほぼ1秒の差があった。なのに、今回のオークスはハープの33秒6に対してヌーヴォの34秒2。1秒差が0.6秒差まで詰まっている。一言でいうならこの0.6秒差にヌーヴォの勝因とハープの敗因が隠されている。

 

 本来、ヌーヴォが34秒2で上がれる流れならハープは33秒2ないし33秒3で上がれる脚があったはず。それが33秒6まで落ち込んでしまったのは、直線に入って内にササリ、それを何とか立て直して外に持ち出そうとした際のロスが大きい。さらに持ち出したのが広い東京の外も外。芝の色が違っていたように、ほとんど踏み固められていない大外となると内中とは伸びが違って当然。

 

 その反対が馬ごみの中でじっと我慢させたヌーヴォ。距離ロスを最小限に抑え、最後の1Fでトップスピードに乗せる無駄のない騎乗が大金星を呼び込んだ。言うならコレしかないという乗り方であり、結果、小さなミスの重なったハープをクビ差抑え込んだ。

 

 むろん、これは強い、弱いではない。大一番の一騎討ちで何度となく取り沙汰される勝負事のアヤ。強い馬には自信がある。だから自分の競馬をするだけ。それで結果はついてくるはず。が、相手が最高の競馬をした時、果してその計算ができていたかどうか。これもある種の油断だろう。それでも直線に入って内にササリ、あの伸びない大外から一完歩ずつヌーヴォレコルトに迫ったハープスターは、どう考えてもとんでもなく強い牝馬に違いない。好事魔多し。

 

 結局、ノーザンFが敗れて社台Fに軍配があがったのが今回のオークス。オメガ○○の馬主さんがヌーヴォレコルト。今流行の相乗りホースかも知れない。いずれにせよ今年のオークスは下馬評通り社台グループの内ゲバであった。

 

【競馬JAPAN】