【競馬JAPAN】突然、人馬ともに甦った内田博&ヴィルシーナ

2014年05月22日 10時01分

 

【清水成駿の競馬春秋】

 一度、低迷期に入った牝馬が、そこから抜け出すのは容易なことじゃない。失礼ながらヴィルシーナ(11番人気)も今は昔、「終わった牝馬」の一頭と思っていた。それも仕方ない。昨秋の3戦、そして2桁続きの今年2戦を観れば。ジェンティルドンナの良きライバルであった時代の面影はない。

 

 が、どっこいヴィルシーナは生きていた。昨年に続きヴィクトリアM連覇。アッと驚く阪神牝馬S(11着)からの奇跡的な復活であった。勝因は元々が実力馬、見えないところで良くなっていたと言われればそれまでだが、鞍上の内田博が外枠から果敢に行かせ、眠っていた闘争心に火をつけたことが大きい。まさに「ファイト一発!」で格好のカンフル剤になったとしか言えない。

 

 勝ちタイムは昨年より0.1秒速い1分32秒3。ペースは前後半46秒2-46秒1の平均ハイP。一度も緩むところのない縦長の流れを、そのまま逃げ切ってしまったのだから恐れ入る。得意の平均ハイPで存分に「速さ」と「粘り」を見せつけた。終わってみれば、なるほど死んじゃいなかった。突然、こういう強い競馬を見せつけられれば、死んだふりをしていたとしか言えない。

 

 レース後、昨年の宝塚以来のGⅠ制覇に喜びを爆発させた内田博。ゴールドシップ、デニムアンドルビーなど、乗り替りで結果を出されれば心穏やかではなかったはず。おそらくヴィルシーナも3度続けて結果を出せないとなると…。が、さすが腕に覚えのあるトップジョッキー。その気になれば気迫が違う。ジンワリ行きたかった柴山(クロフネサプライズ)の逃げを目で殺した。

 

 勝負事は開き直り。次は1番人気を背負って開き直れるかどうかだ。

 

【競馬JAPAN】