【競馬JAPAN】NHKマイルを逃げ切ったミッキーアイルの正体は?

2014年05月15日 06時00分

 

【清水成駿の競馬春秋】

 

 ミッキーアイルにとって、それなりの人気で皐月2000を逃げ切るより、1本人気を背負って東京1600のNHKマイルを逃げ切る方が、はるかに難しかったはず。それは無言のうちにNHKマイルの通過ラップが物語っている。

 

 ミッキーアイルの刻んだラップは、前後半の4Fが計ったように46秒4のイーヴン。テンと上がりの3Fも34秒6-34秒8でほとんどラストの落ち込みがない。いわゆる「テン良し、中良し、終い良し」の3拍子が揃ったミホンブルボン型といっていい。

 

 ミホノブルボンは1000メートルの新馬をレコードで差し切ったものの3連勝目の朝日杯1600はハナ差の辛勝。そんなレースぶりに加えマグニテュード産駒とあって距離不安が囁かれる中、それを見事に跳ね返して皐月→ダービーを逃げ切った快速系である。といって本来、1600がベストであったかというとそうとはいえない。

 

 ベストマイラーとはおおよそ「テン良し、中良し、終い良し」の方程式に逆行するタイプ。テン、中、ラストのどこかが抜群に秀でているタイプであり、仮に東京の1マイルであれば、やはりラストの爆発力ということになろうか。その意味で3拍子が揃ったミホノブルボンはベストマイラーとは言い難い。

 

 そんなミホノブルボンと同様、今年のミッキーアイルも平均ハイスピードに長けた中距離型に分類されていい。前後半をきっちりイーヴンでまとめる精密機械のような逃げは、おそらく1600より2000でこそ、その持ち味を最大限に発揮されるはず。

 

 なのに今回、ミッキーアイルはマイルの中でもっとも厳しい大箱の東京1600を逃げ切った。それも単勝1.9倍の1本人気を背負って。なぜだろう。一言でいうなら相手が弱かったことではないか。因みに1分33秒2の勝ちタイムは同日の1600万(フルアクセル優勝)に0.4秒劣る時計。たぶんマイルのスペシャリストがいれば差されていたはずである。結果は薄氷を踏む綱渡りであった。

 

 本来、ミッキーアイルの馬主が純粋な個人馬主であれば、間違いなくスプリングから皐月→ダービーの路線を選択したはず。そしてたぶん今頃はスプリング→皐月を制し、マスコミは「ミッキーアイルが2400をこなせるかどうか」で紙面を賑わせていたことだろう。本当の皐月賞馬はミッキーアイルだというのにそれが残念。

 

 で、ミッキーアイルの次走はとなると、これまで1600のみの履歴を考えれば古馬相手の安田記念ということになろうか。ただ、これもノーザン系有力馬との兼ね合い。果してどういうことになるだろうか。

 

【競馬JAPAN】