【競馬JAPAN】使い分けの本星はストレートにフェノーメノ

2014年05月08日 06時02分

 

【清水成駿の競馬春秋】

 

 エピファネイア(キャロットF)との「使い分けホース」は一体どの馬なのか。それが今年の天皇賞春の肝であった。普通に考えて前年の菊花賞馬が春天を避け、香港2000のQエリザベスⅡ世カップに回るというのは、きわめてレアなケースであるといっていいからだ。

 

 すなわち、同利害の身内の中にエピファネイアを凌ぐと思われた馬がいたはずである。それが肥大した社台グループの「使い分けホース」であり、好き嫌いにとらわれず、それを探り当てれば今回の春天は的中できたはずである。

 

 結果的に「使い分けホース」は、キャロットFのエピファネイア回避に対して、まったくベタな形で「同じ財布」のノーザンF系サンデーRのフェノーメノ。昨年に続き春天2連覇の離れ業をやってのけた。一方、「カーブやシンカーもあるぞ」と思って打席に立った当方としては、あまりにきれいなフォーシームのストレートに少々意表をつかれたのも事実。

 

 

 ただ、今回はフェノーメノのストレートが見事にキャッチャーミットに収まった格好だが、走らせる側のノーザンFとしてもフェノーメノで決まりと思っていたわけではない。勝負はそんなに甘くない。当然、二重三重の網が張り巡らされていたはず。でなければ菊花賞馬のエピファネイアを香港に回すまい。

 

 広く同じ利害でいえば、ノーザンFの生産で自らも馬主の一員に加わっているウインバリアシオン(2着)、あるいは近い将来、種牡馬として社台のラインナップに名を連ねるゴールドシップ(7着)等も「準社台」とみなしていい。一本人気のキズナを向こうに回して、そういう二重三重の包囲網が敷かれていたからこそエピファネイアを香港に回したはずである。

 

 言ってみれば今回はそんな中の一頭、フェノーメノが2着3着の追撃をクビ+ハナ差凌ぎ切ったに過ぎない。勝因の第一は異常とも思える速い馬場。元々、快速系で走り自体が前肢を前に投げ出す平坦巧者のそれであり、坂を下って直線が平坦の京都もピタリとあっていた。ただ、どうしても気になったのは日経賞後の軽い追い切り。悪いというわけじゃないが昨年の迫力が感じられなかった。これも病みあがり、目利きの拙さに他ならない。最後の最後で◎を逃した。

 

 キズナ(4着)は一言で3200の距離だろう。もつか、もたいないかという前に3000以上は初めて。ズバリ、経験も足りなかった。


ゴールドシップ(7着)はスタートの出遅れで終わった。勝負処でキズナより後では競馬にならない。上がりがないぶん有馬から装着したブリンカーとウィリアムズの積極策に期待したが、3角でもじっとしていたあたり、ゴールドシップに対する研究もどんなものかと少々がっかりさせられた。


最後に異常に速い京都の芝。近年のJCと同様、外国馬の参戦となると意識的にこんな速い馬場を造る。「集団的自衛権」を目指す今の政情がそうさせるのか。いずれにせよ造りすぎは感心できない。

 

【競馬JAPAN】