角居流ケアで海外遠征のリスク減

2012年06月22日 10時00分

【トレセン発秘話】エイシンフラッシュの内田博が少し前に懸念を口にしていた。海外遠征からの帰国初戦であることだ。「帰国明けでいきなり結果を出す馬は少ない。それだけ海外遠征はもろもろのリスクがあるし、見えない疲れも出るからだと思う」

 現在こそ類いまれな回復力で相変わらずの好馬体に復活したエイシンフラッシュだが、ドバイから帰国直後は「トモも寂しくなって腹回りも巻き上がった。こんなになったのは初めてだった」(久保助手)。

 実際、今年同じくドバイワールドカップに出走したスマートファルコンは、遠征後いったん栗東トレセンに入厩して帝王賞を目指すプランを組みながらそれを断念、放牧に出されている。

 海外遠征のリスク。同じことは香港帰りのルーラーシップにも言えるが、同馬には好材料がある。これまで海外遠征から帰国初戦でJRA・GⅠを勝ったのは過去に11例。そのうちの1例が同じ角居厩舎のウオッカ(09年ドバイデューティフリー7着↓ヴィクトリアマイル1着)なのだ。

 角居厩舎は海外GⅠ5勝、海外遠征からの帰国初戦の重賞4勝の実績がある。日本でどの厩舎よりも海外遠征に精通しており、帰国後のケア、調整方法も知っている。

 08、09年に宝塚記念でファン投票1位に選出されながら回避したウオッカと比較して角居調教師は、「当時は馬の適性に合わせてレースを使っていたが、海外で戦っていくことも考えて、今はレースに合わせて馬の調整を変えるようになった」。

 常に海外に視線を向ける同厩舎に、遠征疲れの疑いは不要?「もし負けたとしても、遠征疲れが敗因ということはないと思います」と会見で不安を否定した角居師。その手腕を素直に信頼したい。

 (栗東の坂路野郎・高岡功)