新規馬主サポートを成功させたJRAの軽快フットワーク

2013年09月06日 14時00分

【競馬増強へ…現場からの提言】今夏様々な切り口で提言をしてきた当欄だが、もちろんむやみに施行者を斬りまくろうという趣旨で続けてきたわけではない。取材を進めるうちにJRAが尽力して状況が好転した部門にも遭遇した。新規馬主に対するセリ市場参加促進策だ。

 以前、新規馬主の開拓を目的に行われていた抽選馬制度が総務省勧告により05年にJRAブリーズアップセールとしてセリ方式に変更された。しかし、セリに不慣れな新規馬主がなかなか購買できないケースも生まれて、競走馬資源委員会は「一部でも新規馬主が購買しやすい制度を導入してほしい」とJRAに申し入れた。

 これを受けたJRAはセール内に新規馬主(資格取得3年以内)だけが参加できる限定セッションを設けて昨年から実施。加えて「育成馬を知ろうin宮崎」を開催し、馬の見方の勉強会や調教師との懇親会、及び調教見学を実施し新規馬主に対するケアを行っている。実際、今年の限定セッションで購買された7頭は新馬開幕9週目までにすべてデビューし、先週までに<22210>の成績。掲示板(5着以内)率は7割弱を誇り、新規馬主サポートに成功している。

 日本馬主連合会(JOA)競走馬資源委員長を務める飯塚知一オーナーはこう言う。「せっかくこの(馬主)世界に足を踏み入れたんだから、皆が長く楽しめるフレンドリーな馬主会をつくりたい。新規の皆さんはぜひ新潟馬主協会へ(飯塚氏が会長)という気持ち。こういうスタンスが競馬界を長く支えることにつながると思っています」

 競馬ファンに直接的な関わりはないが、JOA、JRAが協力して競馬界の再構築が進んでいるのだ。これは発言力の大きなオーナーサイドの要請ということで早期に実現した側面もあるが、お役所体質が目立った昔と違い、現在のJRAは柔軟な対応で改善を進める方向へ歩を進めているのも確かだ。

 今後も当欄はニュートラルかつ前向きな視点で提言を続けていきたい。