【高松宮記念】ダノンスマッシュに「ドラマ満載の結末」を期待

2019年03月20日 21時33分

丁寧な手入れに、ご機嫌なダノンスマッシュ

【高松宮記念(日曜=24日、中京芝1200メートル)栗東トレセン発秘話】高橋忠厩舎の新村厩員が、競馬週刊誌に掲載された高松宮記念の登録馬をじっくりと眺めているシーンに出くわした。昨年の春秋スプリントGIを完全制覇したファインニードルを担当していた人物。その愛馬が引退した後とはいえ、現状が気になるようで…。
「今年は新勢力の戦いになりそうやな。ダノンスマッシュ、モズスーパーフレアの2頭とは一緒に走ったことがなかったくらいだしな」

 確かに4歳2頭が主力を形勢する今年のメンバーは「新たな時代」を感じさせる…いやいや、そんなことはどうでもいい。それより気になったのは、新村さんが漏らしたこの言葉だ。

「このレースって逃げ馬はアカンからな」

 2012年の中京リニューアル以後、高松宮記念を逃げ切った馬はいない。それどころか、改修以前でも逃走Vを決めたのは02年ショウナンカンプと09年ローレルゲレイロの2頭だけだ。スピード自慢が集うレースで、一番ダッシュの速い馬があまり勝てていない事実。これはどういうことなのか? ローレルゲレイロを管理していた昆調教師はこう解説する。

「GIともなれば、後続のプレッシャーも相当。しかもペースの速くなる1200メートルなんだから。逃げ馬がなかなか勝てないのは当然だろう。ローレルゲレイロが逃げ切れたのは、並ばれても差し返すぐらいの根性があったから。単に行くだけの馬では、スプリントGIを逃げ切るのは難しいと思うよ」

 その昆調教師は今年、ヒルノデイバローで参戦。「敷居が高い」と前置きしながらも、「2~3年前とは違って、昨年から中京は前が止まり、差しが利く傾向が強い。おそらく馬場の内側が重いんだろう。そこにちょっとでも付け入る隙がないかと思って」と策を練っている。

 もともと逃げ馬にとって厳しいレースなのに、さらに馬場傾向も逃げ馬に不利なのだとすれば…。主役候補2頭のうち、より本命にふさわしいのはモズスーパーフレアではなく、ダノンスマッシュのほう、という結論に落ち着く。

 直線で前が壁になる絶体絶命の位置から抜け出したシルクロードSの勝ち方に「あの競馬で勝てたのは高松宮記念に向けてすごく収穫があった」と安田助手は振り返る。

「前回、楽な勝ち方をしていたら、本番で苦しいコース取りを余儀なくされた時、(北村)友一も焦ってしまうかもしれない。でも、あんな形から勝てたんだから、今度はどんな状況になっても落ち着いて乗れる。この意味はとてつもなく大きいと思いますよ」

 厩舎の調教から手伝ってくれている北村友に対して「なんとかしてウチの馬で初GIを勝たせてあげたいんです」と話す安田助手。高松宮記念の後には同じく北村友が有力馬クロノジェネシスで臨む桜花賞も控えており、「ここで決めておかないと、いろいろプレッシャーがさらにかかって、やばいですよね」。ロードカナロアを管理した安田隆厩舎がその子ダノンスマッシュで父子同一GI制覇を成し遂げると同時に、主戦としてかわいがっている鞍上の北村友に初GIをプレゼント…。そんなドラマ満載の結末を期待している。