【阪急杯・後記】伏兵スマートオーディン豪快差し切り 藤岡佑の計算ズバリ

2019年02月25日 21時31分

スマートオーディン(手前)は道中最後方から上がり33秒4の鬼脚で突き抜けた

 GIII阪急杯(24日=阪神芝内1400メートル=1着馬に3・24高松宮記念優先出走権)を制したのは、11番人気の伏兵スマートオーディン(牡6・池江)だった。2016年5月の京都新聞杯以来となる久々の勝利はどのような背景で生まれたものなのか? 17頭を一気にのみ込んだ直線一気の一戦を検証する。

 脚部不安による2年余の長い休養だけでなく、レースで燃えやすい気性…資質A級のスマートオーディンが、その能力に見合わない低空飛行を続けた理由がこれなら、11番人気の伏兵であったことを忘れさせる豪快な差し切り勝ちは、そのネガティブ要素から解放されたことを意味する。

 もっとも、現在も本質は変わっておらず、脚元に関して言えば「回復に努めてくれた牧場、毎日のケアを頑張ってくれたスタッフのおかげ」(池江調教師)と完璧にクリアされたわけではない。燃えやすい気性→折り合い面の不安は、キャリア初となる1400メートルを走ることで一定の成果は出した。しかし、目標とすべきGIは1200メートル、1600メートルのどちらか?

「ここから200メートル詰めるよりも、200メートル延ばしたほうがいい。1400メートルの京王杯SC(5月11日=東京)で今回のような競馬をし、そこから安田記念(6月2日=東京芝1600メートル)。そのほうがしっくりくる」と同師が示唆したのはマイル路線でのGI取り。だからこそ、あえて強調したい。今回の勝利と今後の飛躍は鞍上の藤岡佑に左右される部分が大きいのではないか、と。

「ハミを触れさせずに乗れば、テンでガツンとはこない。この馬の乗り方のコツを調教でつかんでいたみたいなんだよね。自分のペースを守って走れたのは、彼が調教に乗ってくれていたことが大きかった」と池江調教師。道中は離れた後方を追走し、勝負どころから一気に動いた騎乗のすべては、計算されたものだったというから驚きだ。

「ピタリと折り合ってくれたので、どれほどの脚を使ってくれるかと期待していましたが、予想以上でしたね。抜け出してから遊ぶ余裕があったくらい」と能力を絶賛した藤岡佑だが、レースの上がりを1秒2も上回る33秒4の末脚を引き出したのは彼。重賞3勝馬の復活を“人気薄の激走”とフロック視してはいけない。