【クイーンC・後記】クロノジェネシスはジンクスを打ち破り桜の女王になれるか

2019年02月12日 21時30分

愛馬の背中で手応え十分の表情を見せる北村友

 降雪のため2日順延されたGIIIクイーンC(11日=東京芝1600メートル)は、1番人気クロノジェネシス(斉藤崇)が阪神JF・2着馬の貫禄を示す勝利。同3着ビーチサンバをクビ差退け、GI桜花賞(4月7日=阪神芝外1600メートル)に向け好発進を決めた。グレード制導入後、クイーンC優勝馬から桜花賞馬が誕生した例は皆無だが、今年の覇者がジンクスを打ち破れる可能性は!?

 女王ダノンファンタジーに再度の挑戦状を叩きつけるべく、阪神JF・2着馬クロノジェネシスが貫禄の勝利を飾った。

「前走が後ろからになってしまったので、ゲートだけ出していった。馬の後ろに入れてしっかり折り合い、リズム良く行けました」

 鞍上・北村友がこう振り返ったように、出遅れた前走とは一変の好スタート。前半4ハロン48秒4のスローにも動じることなく、道中6番手で馬をなだめながら運んだのは「瞬発力に自信を持っていた」からに他ならない。

「イメージ通り、直線を迎えての反応も良かった。ビーチサンバだけを意識した」

 ライバルが詰め寄るのを待って、残り2ハロンから追い出しを開始。最後は手綱を押さえる余裕を見せてのクビ差勝ちだ。

「前哨戦でもあり、追い切りの感触は前回のほうが良く感じたし、八分くらいという感触でした。その中でもしっかり脚を使ってくれた」

 陣営が評価するのは、万全と言えない体調で結果を出したことにとどまらない。降雪のため土曜施行予定がスライド。結果、東京で3晩過ごすことになったが、「馬が賢いので、そういう状況にも対応してくれた」と斉藤崇調教師はたたえる。

 マイナス面をあえて挙げれば、V時計1分34秒2は近5年で良馬場におけるワーストタイム。さらにグレード制を導入した1984年以降、クイーンC優勝馬の桜花賞制覇は皆無という事実が最大の問題となるが…。ここをステップに選んだ理由をトレーナーはこう説明する。

「一戦ごとに目一杯走ってしまうので、レース後の疲れが残りやすい。チューリップ賞から(オークスまで)1か月ごとに3戦するよりも間隔を取りたかったし、広いコースでゆったりと不利なく走らせたかった」

 他馬より1キロ重い55キロを背負って勝利した馬は過去20年で3頭いる。2006年コイウタ(桜花賞3着)、11年ホエールキャプチャ(同2着)、16年メジャーエンブレム(同4着)がその内訳だ。つまり時計はともかく、その3頭がいずれも後にGIを勝利したことを思えば、今回は地力は十分に示した勝利と言えまいか。

「気のいい馬でテンションの高い時がある。本番はそのあたりだね」と指揮官が語る課題を克服した時…歴史的Vのチャンスは開けるはずだ。