【ホープフルS】サートゥルナーリア 他馬の1年先を行く高いポテンシャルと成熟したメンタル

2018年12月26日 21時33分

はるか遠くを見据えるサートゥルナーリア

【ホープフルS(金曜=28日、中山芝内2000メートル)POGマル秘週報】GIに昇格して2年目となる第35回ホープフルSで、1番人気に支持されるであろうサートゥルナーリアに、文字通りホレ込んでいる男がいる。大スポ本紙・松浪大樹記者だ。「POGマル秘週報」でいち早くその魅力を伝えた男が、改めて思いの丈をぶちまける――。

 有馬記念翌日の24日はトレセン全休日。栗東で馬場入りが可能なのは「原則ホープフルSの登録馬のみ」という規定になっていたのだから、指で数えられる程度の記者しかトレセンに出勤していなくても責められまい。我々もシフトで動くサラリーマン。まして休日をしっかり取得することが現在の風潮でもある。たとえそれがホープフルSの大本命馬サートゥルナーリアの最終追い切り日であったとしても…。まあ、記者も追い切る馬がサートゥルナーリアでなければ、クリスマスイブに張り切って栗東入りを志願してはいないんだろうけど。

 そんな指で数える程度しかいなかった記者のほとんどは、レース4日前の朝にして、あっさりと◎を決断することができただろう。それほどまでにサートゥルナーリアの最終追い切りは強烈なものだった。もちろん、坂路4ハロン52・5―37・6―23・8―11・9秒の時計もすごい。雨の影響で少し緩さのあった馬場。同日に追い切ったヴァンドギャルド(坂路4ハロン54・5―12・4秒)の田代助手も「なんじゃ、このサートゥルナーリアの時計は!」と驚きを隠さなかったくらい。だが、記者が注目したのは時計だけではない。

 まずファンの方もVTRで確認できるゴール前。サートゥルナーリアに騎乗していた吉岡助手は軽く気合をつけるようなアクションを見せた。しかし、それはサートゥルナーリアが限界を見せたわけでも、仕掛けのタイミングを教えようとしたわけでもない。

「全休日で周囲に馬がいない状況。少し気が抜けていたというか、物見をするような面を見せたんです。レースも近いですし、緊張感を持たせる意味で気合をつけさせてもらった」(吉岡助手)

 つまり、あれだけの時計を出してもなお、サートゥルナーリアには遊ぶ余裕があったのだ。いったい、どれほどのポテンシャルなのか…。

 そして、もうひとつ。テンの入りを確認してほしい。最初の1ハロンは14・9秒。この部分をゆったりと入っていけるのがサートゥルナーリアの素晴らしさと分かってもらえるだろうか。それは行きたがる面を見せていた兄エピファネイア(菊花賞、ジャパンC)などとは対照的。吉岡助手が高い潜在能力を差し置いて、一番のセールスポイントに挙げるのも、実はこの部分なのだ。

「普通、どんな馬でも最初のラップを15秒前後で入ったら、追い切りだと理解してハミをかむしぐさを見せるもの。でも、この馬は違う。どんなラップで入っても、鞍上の指示をジッと待つことができるんです。手前を替えるときもスッと替えるし、少し促せば即座に反応してくれる。とてもコントロールしやすいんですよね。だから、この馬の一番の良さは、精神的な部分にあると僕は思っています。まるで他の馬よりも、1年先を行っている馬に乗っているような感じなんです」

 高いポテンシャルと成熟したメンタルを併せ持つサートゥルナーリアに対する信頼感は半端ない。初めてとなるコーナー4回の競馬も、タフな中山の馬場も「むしろ向くんじゃないですか。荒れた馬場でも、まるで重心がブレない。体幹のしっかりとした馬ですから」と吉岡助手は意に介さない。

 仮にこのホープフルSを勝っても、重賞の勝ち鞍などが考慮され、「最優秀2歳牡馬」のタイトルは朝日杯FSの覇者アドマイヤマーズになるだろう。が、少なくともダービー最有力候補の座はサートゥルナーリアになることを確信している。個人的な興味はミルコ・デムーロが、その前の皐月賞にどっちの馬で挑むのか? そこに移っているとするのは、さすがに気が早過ぎるか…。

 ちなみにサートゥルナーリアを担当する吉岡助手は2019年度のJRA調教師免許試験に合格。つまりは2月いっぱいで担当を離れることになる。「こういう馬は厩舎の宝ですからね。僕の担当であるかどうかは問題ではないんです」と締めたが、そうはいっても担当として挑む最初で最後のGI。そう、まずは皐月賞よりも今回だ。しっかりとタイトルを獲得して人馬ともに輝かしい新年を迎えてほしいと思っている。