【有馬記念】“神の手”武豊の総決算 「欲しかった枠」で本番での大胆騎乗予告

2018年12月21日 16時30分

1枠1番に驚いた表情を見せる武豊

 JRAの暮れのグランプリ「第63回有馬記念」(23日、中山芝内2500メートル)の公開枠順抽選会が20日、都内ホテルで開催された。出走馬の関係者をはじめ、抽選で選ばれた約500人のファン、約40台のテレビカメラが集結。過去にも数々のドラマが繰り広げられ、すっかり恒例となったグランプリの“前哨戦”だが、今年も会場を最も沸かせたのはあの“持っている”男・武豊騎手(49)だった。

 ドッとどよめいた会場からは“またかよ~”という声も聞こえてきそうだった。

 土屋太鳳(23)と松坂桃李(30)による抽選で指名された各馬の関係者が馬番のくじを引いて枠順が決定。障害との二刀流挑戦で注目を集めるオジュウチョウサンの名前が挙がったのは10番目だった。すでに16ゲート中9ゲートが埋まっており、残るは7つのゲート。「(抽選は)強い方だから」と自信を見せつつ馬番ボールを引いた武豊。開かれた紙には“予言”通り1番の数字があった。

 まさにキタサンブラックの2016、17年に連続で1枠(1→2番=2着、1着)を引いたユタカマジックの再現に会場はどよめいた。武豊は公開抽選会になってからの有馬は、馬番指名制だった14年もトーセンラー(8着)で1番を引いており、これで4回とも1枠(15年は騎乗馬なし)。長山尚義オーナー(馬主名義はチョウサン)は「よかったね。1枠1番だもん。内が欲しかったし、願ってもない枠。これも豊さんの“引き”だね」と満面の笑み。平地挑戦では名手・武豊騎手にこだわってきたが、そのこだわりがレースだけでなくこの場面でも存分に生きた形となった。

 今年も“神の手”を発揮した当の武豊本人は周囲の興奮とは対照的に「レースはやってみないと分からない」と冷静に切り出した。ただ、「欲しかった枠は当たった。思い切った競馬をするなら極端な枠の方がいいからね」と一発を狙うべく大胆騎乗を示唆。平地未勝利の障害馬が500万下、1000万下を連勝してファン投票の結果(3位)、有馬記念まで駒を進めたこともひとつのミラクルだが、ここまで流れが向いているとなれば…。さらに大きなミラクルが待っていそうなムードが漂ってきた。

 そのオジュウの強力なライバルとなるレイデオロはルメールがくじを引き6枠12番に入った。ルメールは「ダービーも12番枠だったし問題ない」とダービーと同じ縁起のいい枠に納得の表情を見せた。「いいスタートさえ切ればいいポジションが取れる。スローなら(外から)ポジションを上げていきやすい」。一方の藤沢和調教師は「有馬を勝つ秘訣? フランス人だね。あとはうまくジョッキーが乗ってくれるでしょう」。同キュウ舎は02~04年(シンボリクリスエス2連覇、ゼンノロブロイ)にフランス人騎手のO・ペリエで有馬記念3連覇しており、同じフランス出身の主戦の腕に期待していた。

 ラストランとなるサトノダイヤモンドは3枠6番。「池江調教師とは2か6がいいねと話していたが、その通りになった」(アヴドゥラ)とこちらも武豊ばりの強運を見せつけた。「中山2500メートルは乗ったことがないけど、土曜(22日=グレイトフルS)に乗るので感触をつかみたい」。オジュウの二刀流Vのドラマに負けない、引退レースVのドラマを見せられるか注目だ。