【朝日杯FS】エメラルファイト 濃密キャリアで成長したメンタル武器に一発大駆け

2018年12月11日 21時31分

好仕上がりのエメラルファイト。濃密なキャリアが大一番で生きればチャンスも十分

【朝日フューチュリティステークス(日曜=16日、阪神芝外1600メートル)dodo馬券】JRAの平地GIレースも今年あと3戦。日曜はマイル部門の2歳王者決定戦「第70回朝日杯フューチュリティS」が行われる。話題の中心は先の阪神JFを見送って参戦する無敗の牝馬グランアレグリア。その圧倒的な競馬内容から断然の支持を集めそうだが、牡馬相手、初の遠征競馬とクリアすべきハードルは低くない。高配狙いの当欄は経験値の高さを重視して◎エメラルファイトの一発にかける。

 今年の主役は朝日杯FSで史上初の牝馬Vという歴史的偉業(1984年のグレード制導入以降)に挑戦する紅一点グランアレグリア。それだけに思い出されるのは、2016年の朝日杯FSで話題をさらった牝馬ミスエルテの挑戦だろう。同馬もデビューから2戦2勝。非凡なスピードと決め手から当時は“怪物娘”の異名さえ持っていた。しかし結果は1番人気で4着。敗因は折り合いを欠いた未熟なメンタル面だった。

 身体能力のみならず、精神面の強さがキャリアの浅い2歳戦では大きなカギを握ることを印象付けた一戦でもあった。

 今年の主役候補は長距離遠征が初めて。さらに牝馬ながら徹底マークを受ける立場。週末の天候も微妙で、勝ち切るには相当な精神力が求められるだろう。そして16年の教訓を踏まえれば、不確定要素への対応力を備える馬こそが穴になる。

「デビュー当初はちょっとしたことでスイッチが入ってテンションが上がることもあったけど、ここにきてぐっと落ち着きが出て大人になってきました。デビューから3戦、様々な形の競馬を経験したことが精神面の成長につながっています。今の雰囲気ならGIでも崩れることはなさそう」

 担当の佐藤美厩務員がこう語るエメラルファイトは、その言葉通り濃密なキャリアが武器だ。東京芝マイルの新馬戦は2番手から自分で競馬をつくって押し切り勝ち。北海道に遠征した2戦目のGIII札幌2歳Sは発馬で出遅れながらも、直線でしぶとく伸びて0秒3差の4着。同じく芝9ハロンの前走・アイビーSは一転してレース上がりが33秒4のスローペース。3着に敗れたものの、道中はしっかりと折り合って自己最速上がり33秒1を記録した。

「本質がマイラー。前走は微妙に長かったし、極端な決め手比べも分が悪かった。おそらくGIならあそこまでスローにはならないし、今回は鞍上(ビュイック)も魅力。1週前追い切りに騎乗して『すごくいい感じ』と手応えをつかんでくれているし、持ち味のしぶとさを最大限に生かしてくれるのでは」

 こう語る相沢調教師が強調するのが、2戦目の札幌2歳Sの内容だ。

「勝ったニシノデイジーは続くGIII東スポ杯で重賞連勝。0秒2先着されたクラージュゲリエ(3着)は次のGIII京都2歳Sを快勝している。その強力メンバーにあって、出遅れながらも0秒3差に踏ん張ったのは底力があればこそだと思う」

 人気的に気楽な立場ながら馬の実力は上位と小差。鞍上はマイルCS(ステルヴィオ)を制して意気上がる世界の名手だ。フィジカル面のみならずメンタル面の厳しい戦いになった時…エメラルファイトの一発大駆けも十分にあるはずだ。