札幌2歳Sの1~3着馬は今後も大注目

2018年09月06日 21時36分

札幌2歳Sを制したニシノデイジー(手前)

【トレセン発秘話】6週間にわたる札幌開催が終了し、記者の本拠地=美浦トレセンへと無事に今週帰還した。例年なら抱えた借金の返済に頭を悩ませる時期だが、今年は珍しく予想、馬券が好調だったので、その心配がない。本紙予想担当者として多少なりとも読者に貢献できたなら幸いである。

 さて、今夏の札幌を総括する上で外せないのが、先週のGIII札幌2歳Sであろう。2歳戦に力を入れる施行者サイドの意図が反映されたか、除外馬が出たことを含め、質量ともに例年以上のレベル。来春のクラシックを占う一番として、当方は札幌の新馬勝ちが圧巻だった◎クラージュゲリエに注目したが…。

「まだ馬が子供」

 初手綱を取ったミルコ・デムーロがレース後にこの言葉を何度も口にしたように、随所に幼さを見せて結果3着に終わった。

「向正面で気を抜いたのでステッキを入れた。コーナーをうまく曲がり切れなかったし、直線も思ったほど伸びてくれなかった」(同騎手)

 つまりトップギアに入ることなく最後まで不完全燃焼の走りで終わった。それでも着差はわずか0秒1。伸びシロを思えば、今後の注目度は上位2頭に勝るとも劣らないと見ているだけに、改めて次走に期待してみたい。

“登竜門”を制したのは、函館の未勝利戦を勝ち上がって駒を進めたニシノデイジーだった。

「2着に負けた初戦も、勝った2戦目も“調教と競馬が一致すれば、もっと走れるはず”と勝浦と話していたんです。放牧を挟んで精神面が成長したのが大きいのかな。余計なことをしなくなった」

 管理する高木登調教師がこう語ったように、3着馬との0秒1差はフィジカルではなくメンタルの差。若駒にとって経験値がいかに武器になるかを物語る勝利でもある。「切れ味勝負では厳しいので、(時計を要する)洋芝も、この馬には合っていた」(高木師)のも確かだろうが、曽祖母がニシノフラワー(1992年桜花賞)というクラシック血統でもあり、さらなる成長を期待したいところだ。

 もっとも、レース上がり37秒6の消耗戦をつくったのは、道中から果敢に動いた2着ナイママ。コスモバルクの日本ダービー(2004年=8着)をほうふつさせる鞍上・五十嵐冬樹の早仕掛けがなければ…というクビ差惜敗だったが、最も強い競馬をしたのが、この“道営の雄”であるのも確か。今後、昨年3着のダブルシャープ以上に存在感を発揮してくるはずだ。