札幌記念をGIに! 武豊&池江調教師も熱望

2018年08月15日 21時39分

武豊

 今週の日曜(19日)札幌メインとして行われるGII札幌記念(札幌芝2000メートル)は毎年、豪華メンバーが顔を揃える。今年も3頭(ネオリアリズム、マカヒキ、モズカッチャン)のGI馬が出走予定で、真夏の祭典として夏競馬で最も盛り上がるレースとなっている。そんな“限りなくGIに近いGII”札幌記念に対して、SNS上では「なぜGIへ昇格しないのか?」との声が数多く聞かれる。トレセン現場からも同様の意見が出ているが、その可能性やいかに?

 夏競馬を代表するレースは何か? そう聞かれれば、誰もがこう答えるだろう。「札幌記念」と…。

 GIIに昇格した1997年以降の勝ち馬は“豪華”のひと言。連覇を達成したエアグルーヴ(97、98年)に始まり、セイウンスカイ(99年)、ファインモーション(2004年)、アドマイヤムーン(06年)、ハープスター(14年)など、そうそうたる顔ぶれだ。敗れた馬の中にもブエナビスタ(09年2着)、ゴールドシップ(14年=2着)、モーリス(16年=2着)など、スーパーホースの名が並ぶ。まさに“限りなくGIに近いGII”なのだ。

 では現実にGI昇格はあるのだろうか?

 競馬評論家の長谷川仁志氏はこう話す。

「以前から札幌記念をGIにという議論はありますが、私は賛成ですね。昨年から昇格した大阪杯よりも、個人的にはこちらの方が…と思っていたくらい。過去の出走メンバーの質はもちろん、本州よりも涼しい気候、馬産地である北海道でGIを行うことの意義など、メリットを挙げればキリがないと思います」

 日本競馬界を代表する2人の関係者もGIへの格上げに賛成する。これまで数多くの海外GIを経験している武豊は世界的な見地から夏場のGI誕生に期待を寄せる。

「昔からずっと札幌記念をGIにすればと思っていました。欧州では夏場をメインに多くのGIがあるし、避暑地には必ず競馬のビッグイベントが控えていますから。今年もダービー馬(マカヒキ)が出走するなど豪華な顔ぶれ。いつか実現してほしいと思います」

 ダービーや有馬記念など、数多くのGIを制したトップトレーナー・池江泰寿調教師も歓迎の意向を示す。

「いいことだと思いますね。とにかくGIが増えるのは大歓迎ですから。札幌記念がGIになり、その流れが小倉や新潟にも来て、小倉記念や新潟記念がGIになれば、もっと夏競馬は盛り上がると思いますよ」

 ならば実現の可能性はいかに? JRA競走部番組企画室企画課の帆足厚人課長補佐は話す。

「我々としては春と秋にGIレースを多く組んで、そこを盛り上げようと番組を編成しているだけに、夏にGIとなると…。確かに札幌記念は出走馬の質が高いですが、年によってバラつきもあります。有力馬にとっては秋競馬や海外遠征につなげるための一戦として位置付けられている印象もありますし、逆にここに力を注ぎすぎて、春や秋の層が薄くなってしまっては本末転倒なわけで…。実際、初夏の宝塚記念では(メンバー集めに)苦労している現実もありますから」

 ならば、メンバーを充実するために札幌記念を1800メートルにしてはどうだろう。マイラーの出走の可能性が出てくるだけに、労せず出走馬の質が高まるはずだ。

「コース形態の問題があります。札幌芝1800メートルはスタートしてすぐコーナーに差し掛かるため、フルゲートが14頭という条件なので。あまり現実味がありませんね」(帆足課長補佐)

 とはいえ帆足課長補佐は「開催日数は減っていますけど、北海道開催を盛り上げたい気持ちもあるんです。そのために各種イベントにも力を入れていますから。(GI昇格の可能性も)ゼロではありません」と続けたように、JRAサイドも夏競馬の盛り上げに起爆剤を欲しがっているのは本音だろう。懸念する有力馬の疲弊も、近年の調教技術や牧場施設の向上から、それほど大きな障害とならないかもしれない。となればやはり露出、売り上げともアップ確実な札幌記念のGI昇格こそが最良の道。何より競馬界を代表する面々が賛成の意向だけに、“GI札幌記念”が誕生する日もそう遠くないはずだ。