“コテコテの砂馬”ラインハルト金成調教師の嘆き「勝っても使う番組ないから夏休み」

2018年06月06日 21時30分

砂路線で出世を目指すラインハルト

【POGマル秘週報】今年の日本ダービーである意味、目立ってしまったのはダート5戦3勝の経歴で参戦してきたテーオーエナジー。交流重賞・兵庫CSの勝ち馬で賞金上は堂々の出走有資格馬。ルール上は異論を挟む余地はないのだが…。レースではスタートして最初のコーナーでフラつき、他馬に迷惑をかけてしまったうえに、離れたシンガリ負けという結果も含め、出走に疑問を呈する声が複数聞こえてきたのは事実だ。

 一方でいわゆるダート馬は“被害者”的な側面もある。例えば今年も3回東京&3回阪神開催で始まった新馬戦の番組内訳を見ても、各10鞍行われる中でダート戦は5日目(16日)に1鞍ずつ組まれているだけ。ダート路線を完全に軽視した番組体系になっていることは否定できない。JRAの狙いはあくまで「ダービーを頂点にした番組作り」。適性がダートとハッキリしている馬にとっては、いろいろと厳しい状況下にあるのは確かだろう。

 今回の当コラムは開催唯一のダート戦(東京1400メートル)でデビュー予定のラインハルト(牡=母フラーテイシャスミス・金成)にあえて注目してみた。ゴールドアリュール産駒で、ベストウォーリア(南部杯連覇など、ダート現9勝)の半弟とくれば、血統的にはコテコテの砂馬。調教での走りも含め、必然的にダートでのデビューがスンナリ決まったが、番組が他にないため、出走希望馬が集中しやすく、現時点では除外の可能性も否定できない。

 仮に除外されるようだと、出走枠が空いているのを前提に、同日阪神の1200メートルに再投票する手もあるが…。次開催の福島2鞍はともに1150メートル、函館は1000メートルと小回りのうえに、微妙に距離不足。現実的な選択肢としては、次開催中京の1400メートル(7月7日)まで適鞍を失うことになる。

「ダート適性の高い馬に対しての○○○○(言葉が過激なため、字にできず)ですよね」と憤まんやるかたないのはラインハルトを管理する金成調教師。現状の番組体系では手の打ちようがないとしたうえで、「例えば2月や3月頭の馬券が売れない時期に、ダートのGIを作るとか…。もっと路線の整備をするなりして、強い馬はUAEダービーやケンタッキーダービーに挑戦すればいい。今は海外のレースも馬券を売れるんですから。あるいは、芝とは賞金体系を別にするとかすれば、(芝の)ダービー路線に流れることもなくなる。でないと(ダートの)スターホースが出る余地がない」と持論を展開してくれた。

「(新馬戦を)勝っても(その後、使う番組がないから)夏休み」というラインハルトの走りが、ダート路線の拡充への機運上昇につながることを期待したい。