格闘技イベント「RIZIN.10」(6日、マリンメッセ福岡)の出場全選手インタビューが4日、福岡市内で行われ、大相撲の元幕内大砂嵐(26=エジプト)の参戦が正式発表された。榊原信行実行委員長(54)はヘビー級エースとしての活躍を期待し、あえて厳しい内容で契約を結んだことを明かした。

 緊急会見した榊原氏は大砂嵐の参戦を正式発表したうえで「次の『RIZIN.11』(7月29日、さいたまスーパーアリーナ)であいさつをしてもらおうと思います。デビューは9月30日の『RIZIN.13』(同)になると思います」と明らかにした。

 また将来的にはミルコ・クロコップ(43)の引退試合の相手を務める可能性のほか、祖国エストニアでの政治家転身を表明した元大関バルト(33)とも対戦するかもしれないという。気になるデビュー戦の相手は藤田和之(47)やボブ・サップ(44=米国)、高阪剛(48)らが浮上する。

 ボディービルと相撲で鍛えた心身に加え、来日するまでは母国で総合格闘技やストリートファイトで60戦無敗だったと自称しているだけに「RIZINのヘビー級を引っ張っていく可能性を秘める原石だと思う」(榊原氏)と期待は大きい。

 世界最大の格闘技イベント「UFC」をはじめ世界中の格闘技プロモーションでヘビー級がベテラン頼りになりつつある状況を指摘し「そういうところと一線を画して、RIZINは新たなヘビー級のスターをつくる。ニュー・ヒョードル、ニュー・ミルコ、ニュー・ノゲイラを生みたい」と語り、その候補の一人に26歳の大砂嵐を指名した。

 だからこそ、あえて厳しい環境に追い込む。「二度と間違いを犯さないように、甘やかさない契約にした。行動は細かく把握するようにします」。1月に長野県内で無免許運転での事故を起こしたことで日本相撲協会から引退勧告を受け、3月9日に引退届を出すに至った経緯がある。関係者によるとスキャンダルを一つでも起こせば契約が解除される内容だという。短期契約で、自動車の運転は禁止された模様だ。これも期待の裏返し。中軽量級の戦いが中心になったRIZINマットで、新たな波を起こすことができるのか注目だ。