総合格闘技イベント「RIZIN 2017 in YOKOHAMA」(16日、横浜アリーナ)で“キック界の神童”那須川天心(18)は、フランチェスコ・ギリオッティ(34=イタリア)を圧巻の67秒TKOで葬りMMA3連勝を飾った。

 天才の名をほしいままにする18歳が、圧倒的な力を見せつけた。あっという間にロープ際に追い込むと、強烈な左ストレートから左ハイキック一閃。後退したギリオッティを追撃の左ストレートでダウンさせると、パウンド連打で試合をストップさせた。

 戦績をキック18戦18勝、MMA3戦3勝として全勝街道を突き進む那須川は「うまい具合に全部はまって、戦い方としては良かったかなと思います。相手をコントロールできたので」としながらも「もっといろいろな技を見せたいとも思っていたんですけど」と語った。実は今回の試合では秘密兵器として新日本プロレスのIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(29)の必殺技「レインメーカー」を総合格闘技用にアレンジ。使用をひそかに狙っていたのだ。

 プロレスにも造詣が深い那須川にとって、オカダは憧れのレスラーの一人。「狙えるかな、とも思ってるんですけど。今後のMMA戦で? 出せれば出したいですね。余裕があればですけど」と笑顔をはじけさせた。

 その才能は日本格闘技史上最高と評する声も上がっている。キックと総合の二刀流で快進撃を続ける那須川が、格闘技界にカネの雨を降らせる日は、遠くないかもしれない。