ミスター女子プロレス対猛女、究極の頂上決戦が実現する。神取忍(52=LLPW―X)VSギャビ・ガルシア(31=ブラジル)の総合格闘技戦が行われることが25日、明らかになった。舞台は「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND―PRIX 2016」(12月29、31日、さいたまスーパーアリーナ)の大みそか決戦で、26日に正式発表された。“世界最強女子決定戦”に臨む神取は必勝を誓い、現在の胸中を激白した。

 ――約14年ぶりの格闘技戦、しかも夢の対決が実現する

 神取:実は9月のさいたま大会(ガルシア対デスティニー・ヤーブロー)を会場で観戦したんだよ。「とんでもない化け物が出てきたなあ」という印象だったけど、同時に「何でみんなこいつに勝てないわけ?」って思いが湧いてきた。これは戦ってみたいなと。

 ――自ら試合を望んでいたと

 神取:そう。勝てると思ったから。ギャビのパワーや身体能力、格闘家としての素質は確かにすごい。だけど粗削りなんだよね。ガーッと一気に攻め込んでくるけど、そこをしのいで(攻撃する)タイミングさえ読めれば、勝てない相手じゃないと確信した。私とギャビの違いって分かるか?

 ――ガルシアはスカートが似合う

 神取:バカ。経験値だよ、経験値。彼女は苦労人らしいけど、プロはまだ3戦だっけ。私は体重がほぼ自分の倍あったグンダレンコに負けて、再戦で勝った。天龍(源一郎)さんに顔面をボコボコにされた。柔道界でもアウトローだったし、相手の顔面を殴らなければこっちが殺(や)られるという局面になれば、いつでもスイッチは入れられる。その境界線は簡単に踏み越えられるようで、実はとても難しいラインなんだよ。

 ――確かにスベトラーナ・グンダレンコ(ロシア)との再戦(1998年10月)では、195センチ、140キロの圧力をしのぎきって激勝した

 神取:あれは瞬間、瞬間の勝負だったからね。グンダレンコに上から乗られてしまえば、返すのは難しい。でも、ギャビの体格なら返せる。コンマ何秒で勝負が決まるという世界を、彼女はまだプロでは見たことがないんじゃないのかな。

 ――ガルシアには男子との戦いも浮上していたが、ある意味それ以上に究極のカードになった

 神取:だろ。みんなRIZINは面白いって言ってるけど、私はもっと面白くできる自信があります。対策も立てていろいろと出稽古にも出ている。コンディションはここ数年で一番いい。対策の内容? 秘密。だってもう戦いは始まっているんだから。

 ――30周年イヤー最後の大一番。女子プロレスの看板を背負って出陣するのか

 神取:もちろん。そのために出るんだよ。プロレスラーが最強だということを世間にアピールしたい。同じ世代や逆境に立たされている人に「勇気を持って戦えば大丈夫。生きていくには強い心を持つこと」というメッセージを送りたい。女子プロ再興のためにも、私は必勝の十字架を背負ってリングに向かう。勝ちます。応援してください。

【顔面踏みつけOKの総合ルール】究極の激突は大みそかに総合格闘技ルールで行われる。RIZIN関係者は「まだ正式発表に至っておりませんが」と慎重に前置きしながらも「目玉のカードが欲しいと思っていた中で、神取さんには二つ返事でOKしていただきました。その“男気”には本当に感謝しております」と話した。

 旧PRIDEルールの象徴だった「顔面踏みつけもOK」という、ミスターと猛女の激突にふさわしいルールも採用される模様。ガルシアも神取の試合を見たことがあるらしく、同関係者によれば「私が最強だということを証明したい」と“ミスター襲名”に意気込みを見せているという。

 いずれにせよ、世間の注目が集まる大みそかのリングを飾るにふさわしく、性別を超越した壮絶な一戦となることは間違いない。