“世界のTK”こと高阪剛(46)約1年ぶりの復帰戦が9日、電撃決定した。

 RIZIN FFはこの日、都内で会見を行い「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND―PRIX 2016 無差別級トーナメント」(12月29、31日、さいたまスーパーアリーナ)の対戦カードを発表した。

 意外にも名を連ねたのが世界のTKだ。高阪は2回戦で元大関のバルト(32)と対戦する。本来バルトはイリー・プロハースカ(24=チェコ)と対戦の予定だったが、練習中に「右足前十字靱帯断裂」などの重傷を負い欠場が決定。さらには9月25日の開幕戦でプロハースカに敗れたマーク・タニオス(25=レバノン)も「今の自分ではトーナメントで勝てない」と出場を辞退したため、高阪に白羽の矢が立てられたのだ。

 高阪は昨年12月29日のジェームス・トンプソン(37=英国)戦で約9年7か月ぶりに復活。45歳にしてTKO勝利を決めて、日本中の格闘技ファンを感動させた。

 今回の復帰戦は熱意が実った格好だ。きっかけは盟友・藤田和之(46)がバルトに敗れ、引退を表明した開幕戦だった。「藤田の無念さ、そして自分自身感じた無念さ…。どう言葉にしていいか分からない感情が自分に生まれた。今まで感じたことがない感情だった」と明かした高阪は、トーナメントでの“敵討ち”を榊原信行実行委員長に直訴したという。

 当初は「そんな都合のいい話はないので『リザーブマッチでどうか』という話だった」と榊原委員長も難色を示したものの、不測の事態が続いたため出場権をもぎとった。運も味方につけて悲願の一戦を手に入れた世界のTK。この勢いで盟友・藤田の無念を晴らすつもりだ。