RIZIN FFの榊原信行実行委員長(52)は26日、引退を表明した“野獣”藤田和之(45)の慰留に動く意向を明らかにした。

 榊原委員長は26日、千葉市内で行われた「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND―PRIX 2016 無差別級トーナメント開幕戦」(25日、さいたまスーパーアリーナ)の一夜明け会見に出席。元大関のバルト(31)に敗れ、会見に姿を見せなかった藤田について「今後、きちんと話をしようと思う」と語った。

 藤田は試合後「もう、いいんじゃないかという気持ち」「引退式とかいらない。やりきった感がある」など引退の意思を示していた。榊原委員長はこう続けた。

「何とか現役を続行できるように、説得を試みたい。そして、もし意思が固かったとしても、引退試合はするべき。たとえ本人が『いらない』と言っても、ファンはそう思わないでしょう。RIZINのコンセプトの一つとして『完結』がある。名選手にふさわしい引退の場を用意するという…。藤田こそその1号にふさわしい」

 榊原委員長はかねて藤田については「僕にとって特別な選手」と公言している。そこまで思い入れがある選手だけに、最後の花道を飾らずに引退させるわけにはいかないというわけだ。「花道にRIZINのリングを使ってほしい」と訴えた榊原委員長。野獣の心を動かすことができるか。