格闘技イベント「RIZIN.1」(17日、愛知・日本ガイシホール)で桜庭和志(46)、所英男(38)組が田村潔司(46)、ヴァンダレイ・シウバ(39)組と「ダブルグラップリングファイト」で激突。打撃なしの特別ルールながら、それぞれの思惑がぶつかる激しい試合となった。

 4年半ぶりの日本のリング登場となったシウバ。当時と変わらぬ入場曲「Sandstorm」がかかり会場は大盛り上がりだ。パートナーの田村は3月25日の巌流島で顔面3か所を骨折したため、頭部にプロテクターを着けてリングインした。

 試合はシウバ、桜庭でスタート。両者がリング上で対峙するのは4度目。グラップリングながら熱い戦いを披露する。途中、真剣になりすぎたシウバがヒザ蹴りを出しそうになり、両者苦笑いする場面も見られた。

 直前会見で「田村選手は桜庭選手が本当に嫌いらしい」とシウバに爆弾を落とされるなど、注目が集まった同期対決は試合開始から約10分で実現。桜庭が田村を抱えてジャーマンスープレックスのように投げるなど、観客を喜ばせた。

 一方、30キロを超える体重差に注目が集まった所とシウバの対決は実現せず。それでも所は田村とUWFインターのような関節の取り合い。観客を大いに沸かせた。結局、試合はハイレベルなグラップリングを見せたものの誰も一本を取れずに終了。0―0でドローに終わった。

 試合後、桜庭は「(シウバは)重かった…。重いだけじゃなくてパワーもある。でも(グラップリングルールは)面白かった。田村さんとも絡めたんで面白かったです」とニッコリ。さらに「(田村と所の対決は)コーナーで見てても面白かった。声が出ちゃいました。動きがあったんで」とパートナーを褒めたたえた。所は恐縮しながら「もうちょっとやっていたかった」と話していた。

 シウバは「楽しめた。桜庭とやって楽しめた。(所と対戦しなかったのは)体重が軽すぎるからね。でも田村が今日は一番良かった」と話すと、「田村さんと桜庭さんは火花が散っていた。総合格闘技で対戦してほしい」とまさかの対戦を要望。これに田村は「サクが大丈夫なら。やりますよ」と苦笑いした。