新格闘技イベント「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND―PRIX」(さいたまスーパーアリーナ)大みそか大会で、総合格闘技に初挑戦した山本アーセン(19)は、ヒクソン・グレイシー(56)の次男クロン・グレイシー(27)に惜敗した。
レスリング元世界女王の山本美憂(41)を母に持つアーセンは、UFCファイターでおじの山本“KID”徳郁(38)と敢行したタイ合宿の成果を披露。パンチ、キックで相手を翻弄する場面もあった。
思わぬ苦戦を強いられたクロンは、引き込んでの足極め式十字固めを狙うがするっと回避。グレイシー一族必殺のマウントポジションを奪われるが、スイープして体勢を入れ替える対応能力の高さも見せた。
しかし最後は、クロンが引き込んでの三角絞め。一度はバスターでしのごうとする意地も見せたが、クロンはクラッチを離さず、1R4分57秒、ギブアップで敗北した。
【クロン・グレイシーの話】
今日の勝利は100%の勝利だ。自分は人生を注いでいる。結果は大事ではない。
(山本アーセンは)みんなが予想していたよりもいい試合をした。タフだった。自分は高いレベルの相手と練習をしている。もっとも厳しい試合を想定して練習している私が言うのだから、間違いない。アームロックをかけようと思ったが、普通の選手ならタップするところ、タップせずに抜けた。彼と戦ったことは誇りだ。
いくらアームロックをかけてもかからなかったので、チョークに変えた。私に戦術を変えさせたのは素質がある。これからどんどん強くなる。精神力が強いので日本のみなさんは誇りをもって楽しみにしていてほしい。
【山本アーセンの話】
相手に組まれないようにヒット&ランで、組まれたらヒザ。でもやっぱ捕まっちゃって悔しい。もっと踏み込めたらパンチも入ったと思うけど。考えたら泣きそう。いい経験できました。
(三角絞めを一度バスターしたが)あれが最大のミス。いろんなコーチに「立ったのは正解だけど、そこから揺らして落とすのが本当の正解」と言われました。
(今後は)シーンは変えずにレスリング。でも家帰って風呂入りながら「やりたいな」と思ったら(総合格闘技を)またやるかも。自分のやりたいことだけやりたいので。
(リベンジは)頭の整理ができてないので、一回落ち着いて考えます。