新格闘技イベント「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND―PRIX」(さいたまスーパーアリーナ)大みそか大会で、“霊長類ヒト科最強女子”ギャビ・ガルシア(30=ブラジル)が総合格闘技初挑戦。レイディー・タパ(33=トンガ)に1R2分36秒TKO勝利を収めた。

 覚悟の表れか。世界大会で14度優勝した柔術のテクニックはあえて封印。ゴング早々、ボクシングで勝負に出た。

 しかし、先にヒットしたのはタパのパンチだ。巨体が大きくぐらつき、戦法は“裏目”かと思われた。

 しかし、再び立ち上がると、またもボクシング勝負。右ストレートで優勢に立つと、右の裏拳でダウンを奪取、そのままサイドポジションをとり、丸太のような腕で鉄ついを落とす。タパは徐々に意識を失い、レフェリーが試合をストップした。

 両親が観戦するなか、歓喜のマイクを握ったガルシアは「柔術の試合と同じく最善を尽くしました。苦しい戦いでしたが、勝ててうれしい。日本の格闘技で女王になります」と堂々宣言した。

 規格外の体格に、打撃&柔術の技術を装備したモンスターガール。果たして相手はいるのだろうか?

【ギャビ・ガルシアの話】

 これまでにない感覚だった。デビュー戦ということと、観客が多かったこともあってアドレナリンが出た。しょっぱなにダウンを食らって目が覚めた。本当はグラウンドにいきたかったが、レイディー・タパもそれを防いでグラウンドに持っていけなかった。そこは心残りだが、KOで勝てたのは大きかった。彼女はとても強いと感じた。

(今後の課題は)特に打撃。そして柔術に持っていくためにスペースを作ること。勝利できたのが一番大きかったと思う。自分のプランはあったがその通りにはいかない。

 柔術時代にやっていた通りにこのまま続ける。アメリカに帰って毎日練習。契約ではまた試合が見込まれる。おそらく7カ月後くらいに何かあると思うが、マネージャーに任せる。本来はブラジルの実家に帰りたいが、トップファイターになるには止まっていられない。またアメリカに帰って練習する。