格闘王・前田日明氏(56)が13日、主宰するアマチュア格闘技「THE OUTSIDER」の東京・大田区総合体育館大会を開催した。

 この日は第1回大会から同イベントをけん引した黒石高大(29)の引退試合をはじめ全36試合が行われた。韓国のプロ格闘技団体「ROAD FC」との対抗戦は1勝4敗に終わったが、期待の新星・朝倉海(22)がKO勝利を飾るなど収穫もあった。

 年内最後の大会となったビッグマッチを終えた前田氏は「未来のスター候補も育ってきたし、来年はどんどんプロ(団体)に出していきます。国内外を問わずにね」と今後のプランを明かした。自身の使命に燃える裏には、昨今の格闘界に対する危機感がある。

 冬の時代と呼ばれて久しい日本格闘界は、今年になってようやく新たなビッグイベント「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND―PRIX」(12月29、31日、さいたまスーパーアリーナ)が立ち上げられ、起爆剤として大きな期待が高まっている。だが、前田氏は同イベントに対して「誰が興行をやるのも結構なんですが…。マッチメーク的にも過去の人を掘り起こしてもどうかと思うよ。新陳代謝がないと業界に明日はない。それ(を実現させるの)はプロモーターの仕事だと思うよ」と言い切った。

「OUTSIDER」の旗揚げから7年にわたりアマチュア育成に尽力してきた前田氏にとって、日本格闘界最大の課題にして最優先事項は「選手層の底上げ」で変わることはない。「うちはうちで粛々とやっていく」と、RIZINとはやはり別路線を歩むことになりそうだ。